注意障害の病態理解と関わり方
こんにちは、ラミマルです。
今日はその中でも注意障害をピックアップしたいと思います。
注意障害は、高次脳機能障害の中でもよく起こってくるもので、どういうものか知っておいて損はないと思います。
では今日も進めていきましょう。
もくじ
注意障害とは
高次脳機能障害の中でも4割近くの方に注意障害が出現すると言われています。注意障害は主に全般性注意と方向性注意の2つに分けられます。
方向性注意は、空間に対して一定の方向にしか注意が向かず、この障害によって起こるのが半側空間無視です。
全般性の注意は
- 注意を一点に集中させる力
- 注意を維持し、持続させる力
- 複数の刺激に同時に注意を向ける力
- 注意の方向を転換される力
に分けられます。つまり注意にもいろいろな種類があり、その時々で注意を使い分けをしています。一点集中する際は、周りの目に映るものや、聞こえるものをシャットアウトし集中することができます。また他方に注意を向ける必要がある際は、周囲に注意を払い切り替えながら過ごすことができます。
この全般性注意はあらゆる活動の根本、また精神活動の基盤となるもので、注意機能が低下するとその他の認知機能も低下します。
このピラミッドは神経心理ピラミッドといい、高次な活動に向かうほど、下に積みあがっているものが行えないと実行できないと言われています。
簡単に説明すると、まず眠かったり、やるぞ~という心的エネルギーがなければ注意や集中力はもとより、論理的思考などには到底行きつきません。
その中でも、注意力、集中力というのは基礎レベル(下層)のピラミットに属しており、情報処理に対しての第一弾、精神活動の基盤とされています。
そのため注意が働かなければ、記憶や遂行能力といった高次な活動は行いにくくなります。
注意機能の評価
注意機能の評価には机にて行う検査法で標準注意検査法(CAT)というものがあります。これは数唱を行ったり、文字や図柄の抹消、音を聞いて計算をこなしたりとボリューミーな検査になっています。
かなり内容の濃い検査なので、終わるころにはクタクタになる方をよく見かけます。
また日常生活観察による検査では、日常観察による注意評価スケールがあります。これは日常生活でみられる症状を、点数化し点数が高いほど重症度が高いというテストになっています。
これらの評価を継時的に行い、リハビリの効果判定に利用していきます。
注意障害での関わり方
注意障害に関わりで大事なことは、周りに気を取られる環境では行わないことです。ガヤガヤした空間ではそちらに気を取られて集中ができません。出来るだけ静かな環境で取り組めるようにしましょう。
その上で、まずは持続して集中できる机上課題から始めるのが無難かと思います。それでも注意が散漫になることはあるため、その都度声掛けや確認を繰り返すことが大事になります。
この作業を繰り返し行いながら、少しずつ難易度を上げていき選択性の課題や、注意の切り替えを必要とする内容、同時に処理を必要とする課題へと移行していきます。
そして随時、検査にてリハビリの効果を判定して評価を行っていきます。
家族として、どう関わっていくか
大事になってくるのは、本人がどういう状態かを理解することがスタートです。数あるエラーの根源はどんな病態から来ているか知ることで、家族としても受け取り方は変わるでしょう。
また本人が注意障害の認識をより意識できるよう、机上の訓練や日常生活での関わりの中で、自分で取り組めるような促しや働きかけが必要になってきます。そのような関わりが身近で出来るように、家族自身も注意障害にどう関わっていくべきか学んでいく必要はあります。
最後に
どの障害にも言えることですが、病気になった本人も苦しいですが、それを見ている家族さんも同じように苦しんでいるでしょう。すべてを抱え込んで解決する必要はないと思います。苦しいときは医療機関に相談したり、カウンセリングにて気持ちを落ち着かせることも必要です。相談できる所は0ではないことは忘れないでください。