ラミマルブログ

リハビリの仕事を通して学んできた経験をもとに、病気やリハビリ、健康や日々のことなどを発信中

誤嚥性肺炎にならないために 呼吸障害と呼吸リハ

こんにちは、ラミマルです。

 

みなさん最近ご飯の飲み込みが悪かったり、むせたりすることはありませんか?

 

食事後にゴロゴロ音がしたり、咳が止まらないなどの症状がある人は要注意です。

  

今日は、そのような問題が起こる呼吸障害について書いていこうと思います。

こんな人に読んでほしい! ・呼吸障害について知りたい
・嚥下障害について知りたい

  

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もくじ

 

脳卒中片麻痺で起こる呼吸障害

脳卒中になると、片麻痺といい体の半身が麻痺して動きにくくなります。また呼吸に関与する体幹筋の麻痺などにより、スムースな呼吸が制限されることもあります。首回りの麻痺舌の麻痺などにより呼吸以外にもさまざまな合併症を引き起こします。そのため大きな障害に目が行きがちですが、呼吸器官周辺にも目を向ける必要があります。そのため起こってくる合併症を紹介していきます。

 

 嚥下障害

脳卒中片麻痺になると嚥下障害が頻繁に起こります。急性期では3割から4割の方が飲み込みなどに問題があると言われています。嚥下障害になるとのみ込みが行えなくなるので、食事が摂れず栄養不良や脱水症状になってしまいます。

病院では、看護師が経鼻経管栄養と言って鼻から胃までチューブを通して、直接栄養を送ります。食事が自分で取れない方はほとんど鼻にチューブが入った状態で転院されてきます。このチューブで直接胃まで栄養を送っている間は栄養不良や脱水の心配ないといえます。

 

嚥下障害がよく起こる部位としては脳幹が挙げられます。脳幹には間脳、中脳、橋、延髄という部位に分かれており、脳幹の働きは意識・呼吸・循環を調整したりと人間の生命活動を維持する働きを司っています。脳幹以外にも、多発梗塞、広範囲の脳梗塞で嚥下障害が起こったりします。

延髄では嚥下機能を司る神経などが集中しており、これらが障害されることで重度の嚥下障害が起こります。これを球麻痺といい、球麻痺では咽頭喉頭障害に左右さがあり、嚥下反射が起こりにくくなります。つまり口から飲み込んだところから、のどを通過する当たりに麻痺が起こり、のどに物がくるとゴクッと飲み込む反射も起こりにくい状態となります。

また多発性脳梗塞では、仮性球麻痺という嚥下障害が起こり、これは左右に関係なく舌や口の中、咽頭機能に麻痺が起こり、嚥下反射も遅れて起こることが見られます。またそれに加え、意識障害や注意機能障害などの高次脳機能障害が加われば、より食事がスムースに進みにくくなります。このような状態で食事を続けると、誤嚥するリスクは高まってしまいます。

 

 誤嚥性肺炎

誤嚥とは、本来気道に入るべきではない食物や唾液が気管や気管支まで入ってしまった状態をさします。一度誤嚥をしたからといって必ず肺炎になるわけではありませんが、呼吸機能の低下全身の免疫力が低下していること、低栄養などが重なることによって誤嚥性肺炎を起こしてしまいます。

誤嚥性肺炎は脳卒中後ではよく起こります。そのため誤嚥性肺炎を起こさないように回復期病院では、ポジショニングや体位変換、離床や運動療法を中心に進めていきます。この辺りは後日もう少し詳しく書こうと思っています。

 

 呼吸障害

片麻痺になると麻痺の影響から体が猫背になったり、姿勢が崩れ胸郭が圧迫された状態になります。またずっと寝たままの姿勢で過ごすと胸郭の柔軟性が失われ呼吸障害が起こります。

 

廃用性症候群での呼吸障害

廃用症候群とは、病気やケガによって安静臥床が求められる状態が続き、心身の機能状況が低下することで起こります。機能の衰えは、筋や骨などに加え呼吸器などにも起こります。それらの影響により誤嚥性肺炎を起こす可能性は大きくなります。

廃用での呼吸障害を起こさないようにするには、少しずつ離床をすすめ、運動負荷を加えていくことが大事になります。急に起きれない場合は、ポジショニングを丁寧に行い、定期的に排痰(痰を出す方法)を進めていく必要があります。

これらも後日詳しく書きたいと思っていますので乞おうご期待です。

 

まとめ

脳卒中になると呼吸障害にともなった合併症を伴う

・延髄や多発性脳梗塞などで、球麻痺、仮性球麻痺となっていまう

誤嚥性肺炎は、頻発しやすく致死率も高いため気を付ける必要がある

 

最後に

脳卒中で自宅に帰られた後も、寝たきりの状態が続くと廃用症候群から誤嚥性肺炎のリスクは大きくなります。今日は呼吸障害がどういうものか説明させていただきましたが、後日どう対応していけばいいか書きたいと思います。

 

タイトルで分かる通り、肺炎を防ぐための秘訣がここに載っています。みなさん喉を鍛えましょう。