脳卒中後の肩の痛み!! 知っておきたい対応策
こんにちは、ラミマルです。
本日は脳卒中後の肩の痛みについての第3章です。
一日目は、脳卒中時の肩の痛みや麻痺のレベルによって痛みが変わる可能性があることを書きました。
脳卒中後の痛み!? その肩、亜脱臼していませんか? - ラミマルブログ
二日目は、肩の痛みの原因について主に書いてきました。
そして今回は、肩の痛みに対する対応策を書いていこうと思います。
もくじ
ポジショニング
ポジショニングとは、クッションなどを上手に利用して目的に適した安全で楽な姿勢を提供することです。肩の痛みを発生させないためにも寝ている姿勢や、車いす上でのポジショニングはかならず必要になってきます。
ベッド上でのポジショニング
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前回の記事にて、腕が背中方向に継続的に引かれると靭帯等が引き伸ばされ、循環障害や亜脱臼に繋がり炎症が出現するといいました。そのため背中方向に長時間引かれるのを防ぐためには、タオルやナーセントパット、枕などを上手に利用します。あまり高さがあるものは寝苦しさに繋がるため、すき間を埋める程度のもので調整してください。
手がだらんと垂れるのではなく、上記の写真のように下から覆ってあげる、また楽にお腹まわりに手が置けるといい感じです。
ここで何点かベッド周りにそろえておいたほうがいいものを併せて紹介しておきます。
見たことありますかね?これがナーセントパットというものです。よく病院でも使われており、側臥位が保持できない人の背中側に敷き込んだりします。これにより姿勢の保持が可能になります。また仰臥位で寝ている際に、仙骨部に圧がかかりすぎて褥瘡のリスクが高まるときなどに、左右の腰骨の下に敷き込み圧を軽減させたりします。
二つほどあると、姿勢を保つためには重宝するアイテムになっています。
次に紹介するのがナーセントEXユーです。個人的にはウサギの耳に似ているので、うさちゃんクッションなんて呼んでいます(笑)
使い方はナーセントロールによく似ているかもしれませんね。頭側から腕周りをやわらかくフィットさせてくれるので、円背、首や肩周りにすき間が大きくあく人には最適です。これ寝てみるとかなり気持ちいいです。病院でも首回りや肩回りが固くスペースが空いてしまう人によく利用しています。
フィットさせてくれる分、寝返りが自分で行えない場合は汗をかきやすくなります。そのため定期的な姿勢の変換は必要になってきます。
またニトリにある低反発枕もなかなか侮れません。頭元に使ってもいいと思いますし、片麻痺になると膝下の間にスペースがあくことがよくあります。そのため膝下に枕を敷きこんだりすることで、短縮してしまった下肢の筋肉も上手にポジショニングすることができます。
車いすでのポジショニング
車いすでのポジショニングでは、まず真っ直ぐに座ることが必要になってきます。今回は上肢のポジショニングなので、車いす自体の座らせ方という点は割愛させてもらいます。座るうえでの気を付ける点は機会があればまた記事にしたいと思います。
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車いすでも長時間座ることがあると思います。その間上肢がだらんと垂れたままでは、腕の重みで肩が引っ張られ、循環障害や亜脱臼に繋がり炎症が起こることはお伝えしたと思います。そのためそれを防ぐために上記でも紹介したクッションを上手に利用してください。
上のところでも紹介したナーセントロールやEXユー、高さが合えばクッションでも代用できると思います。できるだけ上肢がだらんと垂れた姿勢を作らないように気を付けてください。
これを利用するメリットとしては、真っ直ぐの姿勢が取りやすく麻痺した手を忘れにくいことがあります。また前方で腕を支持することができ、姿勢の崩れを防ぎやすいです。循環障害や亜脱臼の防止になり痛みの軽減が図れる可能性があります。
肩自体にに装着するもの
上で紹介したものは、環境的にそろえる物でしたが次に紹介するのは肩自体に装着するものです。ここでは三角巾やアームスリング、ショルダーラップなどを指します。これは脳卒中ガイドラインでは推奨グレードC1とされていて、行うことは考慮してもいいが科学的根拠はないとされています。つまり行うと必ずいい方向にいく根拠はないものと知っておいてください。
アームスリング
主に重度の上肢片麻痺の方に利用します。安静にしている際に痛みが出たり、寝返りなどの動作時や夜間痛があるときに利用したりします。また歩行時など上肢の重みが邪魔となりバランスが崩れる際に使用します。基本的に三角巾と同じような役割となります。
注意点としては、長時間利用すと首回りに引っかけて吊り上げるので、肩回りに負担がかかります。また一人で装着することは難しいため、着けるのには介助が必要です。長時間の利用で上肢の手が曲がった姿勢を助長してしまったり、麻痺側を使用する機会を奪うため不使用となりやすいです。
ショルダーラップ
用途としてはアームスリングと大きく変わりません。安静時や動きの入る場面での痛みや夜間痛があるときに利用します。肩の重さをバンドで引き付けて安定させるので、肩の根元からサポートしてくれます。またアームスリングと違い前方で手を吊り上げるわけではないため、前方向に重みがかかることとはありません。
デメリットとしては、一人で装着することは難しいことや、肩付近につけるために汗をかいたり、長時間の使用は循環障害に繋がる可能性があります。
まとめ
・ベッドの姿勢や車いすでの上肢の管理が痛みを防ぐポイントとなる
・肩に装着するもので、肩にかかる重さを軽減できるものがある
最後に
脳卒中後の肩の痛みはいろいろ原因があります。その多くがポジショニングや、肩自体を上手にサポートすることで軽減できることもあります。そのため今日の記事を参考にしてもらい、少しでも変化があれば嬉しいです。痛みを軽減させて充実した生活を送れるように応援しています。