ラミマルブログ

リハビリの仕事を通して学んできた経験をもとに、病気やリハビリ、健康や日々のことなどを発信中

呼吸障害における自主訓練

こんにちは、ラミマルです。

 

先日から呼吸障害について書かせてもらっています。

初日は、呼吸障害の病態について書かせてもらいました。

誤嚥性肺炎にならないために 呼吸障害と呼吸リハ - ラミマルブログ

 

2日目は、呼吸障害の評価とその対応について書かせてもらいました。

呼吸障害での評価と、その対応方法 - ラミマルブログ

 

3日目は、呼吸障害に対する自主訓練について書こうと思います。

 

こんな人に読んでほしい! ・呼吸障害の自主訓練が知りたい
・呼吸障害の改善をしたい

 

呼吸障害が楽になれば、生活の質は改善される可能性があります。

f:id:ramisuke:20210427210703p:plain

もくじ

 

呼吸障害になったら

以前からの記事でも書かせてもらっていますが、呼吸障害になると息切れや呼吸困難がよく起こります。そうなると日常生活で動き回ることは減り、息が上がらない中での生活となり、それが体力の低下につながるという悪循環に陥ってしまいます。

そうならないように、自身での呼吸の訓練や動作方法を習得し生活範囲を拡大していくことが大切となります。

 

呼吸法の習得

 口すぼめ呼吸

口すぼめ呼吸のイラスト🎨【フリー素材】|看護roo![カンゴルー]

口すぼめ呼吸は、鼻から息を吸い、口をすぼめて息を吐きます。吐くときは「フーッ」っと長く吐く呼吸法です。この口すぼめ呼吸によって、1回換気量・肺胞換気量が増加、呼吸数が減少します。口すぼめ呼吸は、息をはく30㎝向こうに自身の手をかざし、そこに息が届けば、上手く行えています。

 

 腹式呼吸

腹式呼吸のイラスト(女性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

呼吸には胸式呼吸と腹式呼吸があります。胸式呼吸は息を吸ったとき胸が膨らみます。腹式呼吸ではお腹が膨らみます。胸式呼吸では運動時や緊張状態に起こりやすく、交感神経が優位となります。逆に腹式呼吸は就寝中や心身がリラックス状態に起こりやすく、副交感神経が優位となります。

腹式呼吸は口すぼめ呼吸と併用して行い、全身がリラックスして行える仰臥位などから始めることがよいとされています。

まず呼吸をする際に、腹部に軽く手を置きます。そして息を吸う際にその手が少し押しあがるようにします。息を吐くときには、お腹がへっこむのを感じてください。手を置いて分かりにくい場合は、すこし重みのある(1キロ程度)雑誌などをお腹に乗せて上下することを確認しながら呼吸を行ってください。

 

座ったままできる運動。とか | 喜楽堂(きらくどう)

 仰臥位で出来るようになったら、次に座った姿勢で行います。座って出来るようになれば、立位場面で練習をしていきます。そのように活動時に腹式呼吸が行えるようになれば、息切れを減少させることが出来ます。

 

パルスオキシメーターによる動作時SPO2の測定

 

 昨日の記事でも登場したパルスオキシメーターです。

このパルスオキシメーターではSPO2といって、血液中の酸素の量が測定できます。これを長時間つけていることで、どの動作で酸素が不足するのか自分で確認することが出来ます。歩行やリハビリ時など装着しながら動作を行い、動作中の変化や自分で呼吸法を試した後のSPO2を定期的に記録します。そうすることで自分の呼吸障害の状態を明確化でき、自分でコントロールする指標にもなります。

 

動くときに注意すること

日常生活で息切れを起こしやすい動作はいろいろあります。その中でも歩行や入浴、トイレ、更衣などは注意が必要です。またIADLと言われる、洗濯や掃除、炊事などの動作も息切れがよく起こりやすいです。

これらの動作を行う際には、腹式呼吸で呼吸を整えてから行う、ゆっくり動作を行う、途中で休みを入れて呼吸を調整するなどの工夫を行います。

動作を急いで行ったり、息を止めて動作することなどは極力さけましょう。

 

軽い体操を行う

口すぼめ呼吸や腹式呼吸に加え、簡単な首回りの体操や体幹を捻ったり、左右に倒したりする体操をします。その間にも休憩や呼吸を調整しながら行います。また起立運動や歩行運動を取り入れて、SPO2が90%を切らないように少しずつ体を動かしていきましょう。

 

最後に

呼吸リハビリを進めるうえで、呼吸の体操や簡単な体操から始め日常の生活をあせらず無理をしない中で進めてい事で、少しずつの変化を実感していくことが大事となります。何事もいきなりは改善しません、あせらず行きましょう。

よく口すぼめの呼吸の訓練でピロピロ笛を吹いてもらったりします。気になる方はぜひ試してください。