脳卒中になったらセラピストはここを見ている!!評価のポイントとは?
こんにちは、ラミマルです。
今日は、脳卒中になったときリハビリのセラピストが何を評価しているのかをお話しします。
リハビリ前には、どのくらい動けるかなど必ず評価を行っています。
その評価を初期、中期、最終と行い予後を見定めていきます。
では今日は、評価についてのお話です。
もくじ
会う前には
画像所見
CTやMRIの画像所見を評価します。脳卒中でも出血、梗塞、くも膜下出血の3つがあります。出血であれば、出血部位や出血量などを確認します。梗塞であれば、どの血管が詰まりどの範囲が梗塞の影響を受けているかを評価します。
出血や梗塞部位を確認することで麻痺の程度や、高次脳機能障害が出現しそうかなど、ざっくりとした判断を行います。
リハ時間では
全体像の把握
細かい評価を行う前にざっくり全体の評価をします。意識障害がないか、意思疎通が取れるか、コミュニケーションが順調かなど確認します。また血圧や体温、血中酸素飽和度(SPO2)などバイタルチェックも欠かせません。意識レベルが低い人であればJCS(日本昏睡尺度)を取ります。失語等があれば、意思疎通やコミュニケーションがスムースにいかないこともあります。
関節可動域測定
手足などすべての関節がどのくらい動くかを評価します。関節可動域測定は随意運動の基礎となるもので、どのくらいの範囲で痛みがでるかや制限があるかなどを評価します。回復期に来た時にすでに手が腫れ上がり(浮腫)、手指の可動域が制限されている場合などは、動かさないと手が固まってしまう(拘縮)可能性があります。
筋力検査(MMT,GMT)
筋力を見ることで、筋力低下や低下している部位などを評価します。どの部位の筋力を鍛えるかなど評価をし、治療効果の判定とします。また握力や手指のピンチ力も計測します。
感覚
表在感覚や、深部感覚などの感覚を評価します。物が触れた感じや温度や痛みの感覚、手足の位置がどこにあるかの感覚(位置覚)、どのくらい手足が動いたかの感覚(運動覚)などがあります。
合わせて読むとイメージしやすいかと思います。
痛み
どこに痛みがあるか評価します。それがじっとしてても痛いのか、動かしたときに痛いのか、荷重がかかった時痛いのか、痛みの度合い、場所など細かく評価します。
ブルンストロームステージ
麻痺の運動機能検査として広く使われています。麻痺のステージがⅠ~Ⅵまであり、回復過程によって麻痺の分離度などが評価できます。
筋緊張検査
筋緊張の状態を調べるために、腱反射や緊張の状態を調べたりします。筋緊張異常によって手足の変形や、日常生活に影響を予測したりするために評価を行います。
姿勢評価
寝ている状態、座っている状態、立っている状態などの姿勢を評価します。麻痺があると膝下と床とのすき間が出来たりします。力が入らないことや感覚がないため、かなり曲がった姿勢で寝ていることもよく見られます。また座位や立位の姿勢自体が保持できないこともあるので、姿勢の評価をする必要があります。
動作分析
起居動作や歩行状態等、どう動くかを評価します。体をそらしたり、足をぶん回したり、すったりしながら歩く歩容がどこの問題で起こっているか分析し、どう変化していくかなどを評価していきます。
日常生活動作の評価
食事動作や更衣動作、排せつ動作、入浴動作など日常での生活状態を評価します。動作を見るだけでなく、自分でどのくらい行っているかなどFIMという評価で日常生活の動きを観察します。このFIMに関してはまた詳しく説明したいと思います。
認知症検査
HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)やMMSEといった認知症を検査するものです。よく今日は何日ですか?ここはどこでしょう?と聞くのがこの検査になります。
高次脳機能検査
これも細かく分けるとたくさんの検査が必要となるので、ある程度目星をつけて検査を行っていきます。これはCTやMRIの画像所見や実際の症状と照らし合わせながら、実施していきます。やみくもに取るのは、患者さんの疲労や時間の無駄に繋がってしまうためです。
合わせて読むと分かりやすいかと思います。
まだまだ細かな評価はありますが、脳卒中になるとざっとこの辺りを評価します。画像所見や現在の状況、回復度合いを経過観察しながら予後を見定めていきます。
最後に
脳卒中になると、こういう視点でリハビリのセラピストは評価を行っています。評価の内容を知ると自分の状態を客観的に知ることができ、どういうことを頑張る必要があるのか見えてくるかもしれませんね。