ラミマルブログ

リハビリの仕事を通して学んできた経験をもとに、病気やリハビリ、健康や日々のことなどを発信中

呼吸障害での評価と、その対応方法

こんにちは、ラミマルです。

 

先日は呼吸障害で起こる問題と廃用症候群での呼吸障害の病態について書きました。

今日は、呼吸障害はどう評価していくかや、病院ではどう取り組んでいるかを書いていきたいと思います。

  

こんな人に読んでほしい! ・呼吸障害の評価方法を知りたい
・呼吸障害の対応を知りたい

  でははじまり~

 

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もくじ

 

 

呼吸障害の評価

 問診

まず息切れや呼吸が苦しいなど、呼吸状態を把握することが大切になります。これは体を動かしたときに起こるか、起きているだけで起こるのでは、病態の状態は変わってきます。また咳や痰の有無も指標になります。色がついた痰がでるかどうか、それを自分で出せるかどうかなど、現在の呼吸状態を知るものになります。自分で痰を排痰できなければ、吸引で痰をとる必要もでてきます。

また生活してきた状況を聞き、喫煙歴や運動歴などを把握することも、その方の経過を知るうえでは必要なことになります。

 

 姿勢

また呼吸は姿勢や胸郭の柔軟性からも影響を受けます。猫背では胸郭は屈曲位となり可動性は狭まります。また寝たきりの状態となると、大きな呼吸をする機会も少なくなり胸郭の柔軟性も失われます。そのためどういう姿勢で日常生活を過ごしているかや、胸郭の柔軟性を把握しておくことは大事なことになります。

 

 聴診、X線写真

また肺の音を聞き、肺の状態を判断していくことも大事になります。またX線、いわゆるレントゲンといわれる奴ですね。これも肺の状態を知る上では有効な手段になります。

 

 呼吸困難の評価スケール

呼吸困難は、運動を行う上でたびたび起こってくると厄介なものになってきます。呼吸困難の程度を評価するスケールで修正ボルグスケールというものがあります。

修正ボルグスケールはその時々の状態、安静時や運動時、入浴時などの呼吸困難の状況を主観的に評価できるものになります。この評価を日々チェックすることで、増悪の変化に気付け自身の体調の管理にも繋がます。

 

 経皮的酸素飽和度(SPO2)

SPO2という言葉聞いたことがあるでしょうか?SPO2とは、酸素飽和度といい動脈中の赤血球のヘモグロビンが酸素と結合している割合をパーセンテージで表しているものです。つまり血液の中に酸素がどの程度運ばれているかということです。

ちなみに正常な割合は96~99%です。これはパルスオキシメーターという機械で測定します。 

ちなみに疾患によってはその割合が低下します。酸素飽和度が低下すると、酸素不足によって手足や皮膚がチアノーゼといって青紫色になることがあります。

 

呼吸障害にどう対応するか

呼吸障害は合併症として肺炎や、脳卒中後の嚥下機能の低下による誤嚥性肺炎などがあります。これらを予防していくことが、排痰のサポートをしていくことが回復の近道になります。

 

 体位ドレナージ

気道の分泌物が肺の末梢部に溜まることで炎症が起こり肺炎を引き起こします。そのため体位ドレナージでは、末梢の肺を上側に持ってくるような体位をとり、重力を利用し肺に溜まった分泌物を肺の中枢部に排出する方法です。この体位には仰臥位や腹臥位、側臥位などがあり、目的とする肺の領域によって体位が異なります。

体位ドレナージを行う場合、姿勢変換が禁忌(行ってはいけないこと)となっていないことが条件となっています。また体位変換疲労感が強い場合などは、その時々の状況に応じて取り組まなければなりません。

 

 呼吸介助

体位ドレナージに加えて、呼吸介助も有効な手段となります。徒手的に胸郭の動きに合わせて呼吸を介助することで排痰に繋がります。胸郭に手を当てて動かすので、骨粗鬆症など骨の強度が十分でない方には強い圧迫は気を付ける必要があります。

 
 

 まとめ

・呼吸障害を判断する上で、評価をすることが必要

・体位ドレナージや呼吸介助にて排痰を助ける一助になる

 
 

最後に

呼吸障害にて、息切れや痰が止まらない生活は苦しいものです。そのため普段のちょっとしたか関りから排痰や活動性が上がることに繋がれば、生活の幅が広がるかもしれません。