前頭葉障害のリハビリや関わり方とは!?
こんにちは、ラミマルです。
・前頭葉は人間が生活する上で、大切な役割を担っている
・前頭葉がダメージを受けると様々な症状が出現する
・遂行機能障害では目標設定、企画、実行が障害される
・社会適応障害では他者の意図や感情をくみ取って、柔軟に動くことや感情をコントロールすることが困難になる
あわせて読んでいただくと分かりやすいかと思います。
では今日は、前頭葉障害の関わり方について書いていこうと思います。
もくじ
前頭葉障害の症状(ケース1)
昨日の記事にも書きましたが、前頭葉障害の症状はいろいろな症状が混在するため、関わり方も症状に合わせてものになってきます。
例えば、ここで一例。
意識障害もなくコミュニケーションは可能。麻痺も少ない状態。しかしベッドで寝ている状態が長く、起きるように声掛けをしてもゴロゴロと過ごしている。また離床への誘導をしても、こちらの問いかけとは別の話題での会話となったり、問いかけに対しオウム返しをするといった症状が見られました。
着替えを促しても着ている服を脱ぐことより、これから着用する服に気を取られそちらに手を伸ばしたりする。生活全般において注意が多方向に向き、一つのことに集中できない。声掛けをしても動作が開始できない。何か違うことをし始めても静止しても静止がきかない。などの症状がみられました。ここで挙げている症状はほんの一例で、生活の全般でエラーは多くみられる状態です。
関わり方
スタートは、単純な課題から実施。どの動作にも声掛けや指示をしながら実行することから開始。声掛けや指示をしながらでも出来ないときも多いでしょうから、介助も行っていきます。
急に変化見られませんので、経過と共に徐々に課題を変更していきます。単純な課題や声掛けの中でなら出来ることを生活の中で増やしていきます。
経過の中で、病院生活をずっと続けるわけではないので、在宅生活を見据え家族に現状や、出来るようになったことを知ってもらうために情報を伝えていきます。必要な介助量や患者さんの情報を家族と共有することが何よりも大事です。
状態に合わせて外泊などを行い、自宅生活の場でどのように適応していくか評価していく必要があります。家での状況や家族の介助量、帰ってからやっていけるかなど率直な感想を共有しながら、病院で出来ることを増やしながら退院を考えていきます。
外泊を何度かこなし、自宅で生活することで病院より多くの刺激に触れ、自宅での役割をこなしていくことが回復に繋がることもあるかもしれません。自宅でも在宅支援でのフォローアップをしていくことで退院しても家族が不安にならない引き継ぎが大事です。
前頭葉障害の症状(ケース2)
また違うケースでは、麻痺などもなく日常生活は可能。活動性の低下がみられ、ぼぉーと過ごすことが多く、記憶障害から短期の記憶や、物の名前が出てこないなどの症状が見られました。また自身の入院している状況などが理解できておらず、自分の気に入らないことがあると、急に怒り出したり感情が抑えられない場面がありました。
関わり方
記憶に面に関しては、スケジュール帳&メモ帳を作り、自身の一日のスケジュールを作成して行動に移したり、必要な内容を随時メモを取り、忘れたらメモ帳を確認する習慣を身につけていきます。
また行動範囲が広がってくると、他患者との生活の中でもめ事が起こったり、訓練中にうまくいかない内容には不満や怒りやすくなったりしたため、本人の意思を尊重した環境設定をしたり、課題の難易度設定は丁寧に行う必要がありました。
また家族にも病前の状況を確認し、現在の状況を伝えると以前は人に対して怒るようなことがなかったとのこと。電話で連絡してくる内容も、病院への不満や怒りの訴えが多く、早く帰りたい、どうして帰れないのかと家族に当たる様子も見られました。
経過の中で出来ることも増え、記憶面や人間関係も落ち着いてきたころで、外泊を進め家での状況を確認していきます。本人や家族に自宅での問題点を確認しても、大きな問題はなく過ごせ、何度か外泊をこなした後に退院となりました。
職場復帰へのプロセスとしては、入院生活の経過と現在の状況、どういう症状が出現する可能性があるか、職場の方や家族を交えて伝える機会を設けます。忘れやすい面はスケジュール帳やメモ帳を利用しながら、簡単な内容の仕事から調整してくれる流れとなりました。
また人との関わりの中で易怒性があることなど、病気への理解を職場に浸透させることが大事となり、復帰にあたり家族や職場など周りのフォローが必須になってきます。
まとめ
・前頭葉障害はケースによって症状もさまざま
・はじめは介助多めからでも、少しずつ介助を減らし自分で出来る促しを行う
・どのようなケースでも周りの理解や協力が必要
最後に
前頭葉障害は日常生活を過ごすことや社会復帰目指す上で、大きく影響を与えてきます。そこを解決していくには、家族や周囲の理解や協力は必要になってきます。
もちろん病院で伝えられる範囲では、職場との情報交換も行っては行きますが、そこから先は家族とのやり取りが主になってしまいます。ラミマル自身も、そこから先の支援の状況は十分な知識がないので、また今後勉強してお伝えできればいいなと考えています。