ラミマルブログ

リハビリの仕事を通して学んできた経験をもとに、病気やリハビリ、健康や日々のことなどを発信中

こける前に知っておきたい転倒予防

こんにちは、ラミマルです。

 

皆さん、転倒したことはありますか?

 

小さいときにこけることは、よくありましたよね。

でも大人になってからは、こける機会は減っていると思います。

 

しかし歳をとって筋肉が衰えてくると、また転倒することも出てきます。

 

今日は大人の転倒について書いていきます。

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もくじ

 

転倒とは

皆さん転倒したことがありますか。

え、こけたら恥ずかしい。そうですね、恥ずかしいで済めば全然okです。

こけたら全身を確認してください。ケガはないですかね。

 

人はこけてしまいます。それは「いつ」こけるか分からないですし、「どこでも」こけてしまいます。こけ方がひどければ、頭を打ったり、しりもちをついたり、足をぶつけるなどたくさんの弊害があります。では人はなぜこけるのでしょうか?

 

転倒する原因

小さい子供はどうしてよく転ぶのでしょうか。それは頭がでかく、胴体に比べ手足が短くバランスがとりにくいのでよく転んでしまいます。しかし大人になると、頭や胴体より手足が長くなり、バランスがとれるようになるためこけることが減ってきます。

 

では、お年寄り、ケガや病気をした人はどうでしょう?

さまざまな要因があります。入院している患者さん自身の要因で言えば、

・意識がはっきりしていない。

運動機能(骨や筋肉)が衰えバランスを崩しやすい。

・視力や聴力の衰えがある。

睡眠薬などで眠気が残っている。

 

また環境的な要因としては、

なれない環境で動くことは転倒しやすいかもしれません。

・雨で濡れていて、普段より滑りやすいかもしれません。

・ちょっとした段差でつまずいてこけるかもしれません。

 

若かったらできていたなんでもない動作が、筋肉の衰えやいつもと違う状況など、さまざまな要因が重なり転倒に繋がます。

 

転倒してしまったら

転倒してしまうと、腰や頭をうちつけるかもしれません。打ち身ですめばまだいいほうで・・・

お年寄りでよくあるのが、

 ・足を打ちつけることで大腿骨頸部

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 ・大腿骨転子部骨折

大腿骨転子部骨折の分類

Mindsガイドラインライブラリ

 

 

  ・しりもちをつくことで、腰椎圧迫骨折

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脊椎圧迫骨折とは | 東京腰痛クリニック

 

 ・頭を打ちつけることで、急性硬膜外血種

転倒にて上記に挙げた症状をよく病院でも見かけます。そのような状況になると治療や入院が必要となり、身体的にも精神的にも負担となり、生活の質は下がってしまいます。

 

転倒をさせないようにするには?

これは皆さんの知りたいところですね。

はっきり言うと転倒を0にすることは無理です。

極端に言えば、ベッドで寝転がりそこから起きなければ転倒することはありません。しかし寝てばっかりの生活では、満足できないでしょう。

 

病院でもよく言われることですが、転ばないために行動を抑制する環境設定は簡単です。でもそれでは、体の機能は衰え、その結果より動けない体をつくってしまいます。

 

そのため生活を安全に行える対策を考え、その人にあった環境設定を行って、転んでも大けがしないような環境や体づくりをしていくことが大事となります。

 

こけない体づくりをするには、やはり下半身の筋力トレーニングは欠かせません。

簡素な作りでどこでも持ち運べて、テレビをみながら運動できるのは嬉しい商品ですね。段差昇降は我々も訓練でよく行うので、気軽にできるのはいいですね。

 

具体的な転倒予防とは

 1 転倒の危険性を認識してもらう

認知症がある方など、すべての方に出来るかといわれると難しい面もありますが、自分の体がどういう状況で、転倒の危険性があることを認識してもらうことが大事になります。

在宅では、カーペットのちょっとした段差や、暗い中で歩いていると下に置いてあるものにつまずいてしまう。

外で縁石を踏み越えようとして、引っ掛かり転倒してしまう。雨降りの床が滑って転倒してしまう。

たくさんの危険が潜んでいますが、ここは引っかかる、滑るかもしれないと意識してあらかじめ対策をとって動くことで、転倒の危険性は減らせます。

 

 2 どのくらい危険因子が潜んでいるか本人や家族も知っておく

脳卒中などを一度起こしていると、さまざまな危険因子があります

 

運動面:麻痺の手足が動かない、筋力がない、協調して動かない

感覚面:体の感覚が鈍い、自分の手足がどこにあるか分からない

高次脳面:注意障害、認知機能の低下、記憶障害、遂行障害など

 

また薬を飲んでいると、その副作用にて転倒の危険性が上がります。

めまい、ふらつき、血圧低下、筋弛緩作用、低血糖、もうろう状態、頻尿、ゆるい便

いくつか薬を飲んでいると、これらの副作用がでてくるものもあります。

 

これらの危険な因子は、少なからず当てはまるものがあるはずです。そこを知り、解決できる項目に関しては対策を講じることで、転倒の危険性は減らせます。

 

 3 自分の周りが安全な環境か確認してみよう

我々リハビリの仕事をしているものは片麻痺の病気やケガの患者さんのお家に伺わせてもらい、安全に自宅で生活するにはどこに気を付けるべきか提案する書類を作らせてもらいます。その際によく上がる点をお伝えします。

 

・玄関の入り口

まず玄関です、10センチ程度の段差数段が上手に越えられるますか

 

・上がり框

ここも2~3段の段差があるお家がたくさんあります。自分で上がれない方は上がり框には手すりなどを設置したりします。

 

・居室

フローリングにカーペットを敷いている場合は、少しの段差がつまずきに繋がるので、撤去したりします。また敷居などの段差も注意が必要です。

 

・浴室

ここはよく滑る場所になります。立ち上がる場所には洋室用の滑り止めマットなどを提案します。

 

簡単ではありますが、この辺りは押さえておきたいポイントですね。

 

まとめ

・転倒は筋肉の衰えや、いつもと違う環境で起こる

・ケガをすると生活の質が低下する

・転倒を0にすることは無理。こけても大丈夫な体や環境を整えよう

 

では今日はこの辺りで一区切りしたいと思います。

明日はこけてしまったらどう対応するか、こけない体づくりなどについて話していきたいと思います。

 

最後に

転倒してしまい、骨折でもすれば生活は一変してしまいます。そうならないようにこけてもケガをしない体や環境を整えておくことで、何も対策しないより安全に過ごすことが出来ると思います。皆さんもこけない体を作っていきましょう。 

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