ラミマルブログ

リハビリの仕事を通して学んできた経験をもとに、病気やリハビリ、健康や日々のことなどを発信中

リハビリ病院で退院がしたい? 退院までに押さえておきたい大事なポイント

こんにちは、ラミマルです。

 

梅雨ですが、雨が少ないですね。まだまだこれからでしょうか?少しずつ暑くなって、湿気もあるので蒸し暑いです。皆さん熱中症には注意しましょう

 

さて今日は、退院の時期についてお話しします。現在に入院している方でないと直接関係ないかもしれません。もうすでに退院されて在宅で生活されている方も自分が経験してよかったということがありましたら、ぜひなんでも教えてください

 

 今入院されている方や、退院についてどう考えていますか?

また昔に入院されていた方はどのように退院を決めましたか?

 

現在入院中の方は、どの方も早く帰りたい帰っても不安が残る。こんな気持ちのせめぎ合いがあると思います。ではどのタイミングで退院するのがいいのでしょうか?今日はそんな退院の話をしていこうと思います。

 

ちなみに主に脳卒中の方を対象にして書いています。整形疾患でも当てはまるところはあるかもしれません。

 

こんな人に読んでほしい! ・回復期に入院中で帰るタイミングが知りたい
・帰りたいけど、帰って大丈夫か不安

 

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 もくじ

 

 

法律的にはいつまで入院出来る?

現在厚生労働省が定める回復期リハビリテーション病棟の入院基準は、脳血管疾患では150日で、高次脳機能障害を伴った重症の脳血管障害であれば180日は入院可能です。

しかし実際はそこまで入院される方は、昔ほど多くはありません。

それはどうしてでしょうか?

現在回復期病院には、国のほうから「実績指数」というものが求められるようになりました。

これはどういうものかというと、簡単にいえば出来るだけ短い期間で、病状を良くして在宅に帰しましたという指数です。

短期間で治し、日常生活に戻していくことが、今の回復期病院には国から求められています。

そのためラミマルが働き始めたころより、大分早い回転率で病院全体が動いているような印象を受けます。

 

なので、必要な人には150日、180日とリハビリを続けることもありますが、そうでなければ後方連携に繋いだ中で、以前より早いペースで退院へと進んでいきます。

 

いつ退院するかは、病状や年齢やによって一概に言えない?

では、みなさんはどのくらいに帰るの?と言えばこれも一概には言えません。それはやられた脳の部分も違いますし、出血や梗塞の具合も人それぞれ。

病状や麻痺の具合、年齢や家族環境、在宅環境など人によってさまざまで、同じ人は一人としていらっしゃいません。な一人一人退院へのマネジメントをしていく必要があります。

麻痺も軽く若い人であれば、1か月から2か月で帰る人もいるでしょう。

同じような状況でも、仕事に戻れるように復職希望で、しっかりリハビリをしたいという希望があれば長い入院になるかもしれません。

 

逆に麻痺が重度な方が在宅に帰るのであれば、病状が良くなって帰ってきて欲しいという家族の想いもあるでしょうし、在宅の改修やサービスの準備期間も含めると4~5か月かかる場合が多いです。

なので、人によって帰るタイミングはまちまちと言えます。   

 

家族の受け入れ態勢や家屋の状況が一つの鍵になる

 people walking on street between houses during daytime

麻痺が軽く、ある程度自分のことがこなせる状態であり、家族協力が得られるのであれば、ほとんどの方は在宅に帰ります。

しかし麻痺が重度で介助がいる状況となればどうでしょうか?もちろん介助者も必要になりますし、車いすでの生活となるとある程度広い部屋や廊下がないと動くことも満足に行えません。また家に上がるのも、スロープや昇降機などが必要になります。

そのため家族の受け入れ準備や、自宅で生活できる家屋環境が整うこと在宅に帰れる第一歩になります。もちろん大幅な工事が必要になるようであれば、入院期限を越えないように準備を進めていかなければなりません。

そのため麻痺が重度な方であれば、入院期間は長くなるのは致し方ありません。

 

準備は万端にして帰ろう

 病院は、ある程度見守りや付き添って動く環境にあるので、よっぽどのことがない限りは転倒することはありません。介護士や看護師、リハビリのスタッフなど看護やリハビリのスペシャリストがいますので、なお安心ですよね。

では、あなたの家には看護やリハビリのスペシャリストはいらっしゃいますか?

 

例えば介助が必要な状態のあなたが明日退院としましょう。

明日からは退院して家族さんと一緒に生活です。

介助をした経験がない人と歩いたり、動いたりするあなた。

上手に介助しないと転倒してしまうあなたをはじめて介助するご家族。

こんな状態では双方が不安でしかないと思います。

 

そのようなことが起こらないように入院中から、現状をタイムリーに知ることが大切になってきます。そして退院の1か月前くらいになると、起居動作、一緒に歩く、トイレの介助、入浴などなど、たくさんの動作をご家族さんと共有することが必要になってくると思います。

今コロナ渦で面会もままならない状況ですが、ラミマルの病院では必要であれば積極的に家族指導は行っています。そうでなければ双方、不安だと思いますし、送りだす病院側も不安でしかありません。

家族関係が希薄で、あまり家族指導を行わないままで帰る人もいらっしゃいますが、数日後に転倒しましたなんて話もよく聞きます。

 

また退院前には、外出、外泊をしてご家族で感じた問題点を病院に持ち帰ってもらい、残りの入院期間で練習して退院日を迎えることも行っています。なので退院前の外出、外泊も大事な在宅生活の一歩になるでしょう。

 

いい時期に帰るとは?みんなの思いと、自分の思い

いい時期に帰るとは?

入院中は孤独ですし、病院なんてところには長く居たくないでしょうから、帰りたい気持ちも分かります。しかし周りの環境や家族さんの受け入れ態勢が整っていないのに自分だけの帰りたい気持ちを先行させてしまうと、もちろん上手くいきません。

そのような状態であれば、外出などの息抜きは必要かもしれませんが、まだ帰る時期ではないと思います。

家族の受け入れ態勢もでき、自宅環境も完成している、本人の体の仕上がり具合も上々、何度か自宅での生活も経験している。これがいい時期なのではないでしょうか?

なかなかこれらが十分そろって帰る人は少ないかもしれません。

しかしこれらを入院期間中に仕上げていくのが、病院全体のチーム、患者さん、ご家族さん、後方支援の皆さんとなってくるわけです。皆さんの足並みが揃わないと上手くはいきません

 

なので本人、家族を含めてどう帰って生活していくかを共有することが一番大事です。 

 

最後に

リハビリスタッフはリハビリだけしていればいい。これでは回復期病院では回っていきません。リハビリも行いますが、この時期にはこれを出来るようにして、家族に伝える、後方支援に連携を頼むなど様々なことをマネジメントする力が必要になってきている気がします。もちろん大変ですが、でも先をみこして動き回れるように、これからも頑張っていきたいと思います。

 皆さんもいい時期に退院できるように、病院や家族間で情報共有を密に行いましょうね。