ラミマルブログ

リハビリの仕事を通して学んできた経験をもとに、病気やリハビリ、健康や日々のことなどを発信中

脳卒中後の感覚障害 機能回復訓練とは

こんにちは、ラミマルです。

 

以前に感覚に対して軽く書きました。

感覚には、熱いや冷たい、痛いなどさまざまな感覚があります。

あわせて読んでもらうと分かりやすいと思います。

 

今日は、感覚障害の機序に加え機能訓練などについて書いていきます。

 

こんな人に読んでほしい! ・感覚障害で悩んでいる
・感覚障害の訓練をしたい

 

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もくじ

 

感覚の感じる流れとは

感覚障害は、脳血管障害後によくみられます。感覚障害が起こると日常生活に多大な影響を与えてしまいます

以前の記事でもお伝えしましたが、体が感じるさまざまな刺激をどこで起こっているか、どのような刺激かなど、判断する感覚の働きを体性感覚といいます。

触られた感触、圧をかけられた感覚、振動を感じる、温かい冷たいなどの感覚は皮膚感覚といい、筋肉や腱や関節に生じる感覚、つまりどのくらい腕が曲がっているとか、手足がどのくらい動いているかなどを深部感覚と言います。

 

これらを感じるのは受容器というものがあり、ルフィ二小体、パチニ小体など名前がついた、さまざま受容器はありますがこれらは割愛しますね。この受容器が物が触れた時の感覚や温かい、冷たいなどの判別を行います

 

受容器が手足で感じた感覚を脊髄に送り、脊髄から脳に向かって刺激が伝わります。その経路に視床(脳出血の好発部位)という所を通り、脳の体性感覚野に伝わります。そのため脳卒中にて視床が出血で損傷を受けたり、体性感覚野が損傷を受けたりすることで脳の神経回路が損傷し感覚障害が起こります。

 

障害を受ける経路によって病態が変化?

末梢の受容器から脊髄を通り、脳に向かって感覚は繋がっているといいましたが、これらの経路のどの部分がやられても感覚障害は起こります。脊髄が損傷をすると、いわゆる脊髄損傷などが起こるります。首周辺を損傷すると首から下が感覚が感じなくなりますし、腰の辺りを損傷すると下半身の感覚がない状態になったりします。感覚だけでなく運動も同時に損傷されます。

また脳の視床などの病変では、体を縦に割った半身の皮膚感覚であったり、深部感覚が障害されてしまいます。

末梢部分での障害だと靴下型や手袋型といった形で、感覚障害が起こったりします。

このように損傷される部分で、感覚障害が起こってくる範囲が変わってきます。

 

感覚障害(触覚)に対する機能訓練とは

感覚障害に対するリハビリにおいての研究は少なく、まだ十分に結果が出せていないのが現状です。その中でもいくつかの研究では成果がでているものもあるようです。

その内容としては、物に触れ、粗さを識別してみたり、自分が持っている位置を分かる側の手で触れて考えさせます。また体に書いた文字などを自分で再現させるなどを自身で行わせることで、感覚の改善が見られています。

また障害されていない手を通して、感じたり触れたり見たりする情報を自身で調整させることも成果が上がっているとされています。物の素材を確かめたり、自分の手がどの位置にあるか、触れたものが「なに」であるかなど、感覚識別のトレーニンを行うことで改善がみられているようです。

 

感覚障害に対しての代償訓練とは

目を開けた状態で物の位置や大きさを確認して、その後にその物を触れることを繰り返します。それを同じように目をつむって行います。これらを日常的に行うことで感覚の代償訓練になります。しかし中心後回(体性感覚野)周辺の障害では、視覚を利用した代償が有効にならない場面もあるとされています。

 

末梢の障害に対してのリハビリは?

末梢の受容器が脊髄に感覚を送る神経の途中で障害されることもあります。これらの障害に対しても中枢の感覚障害と同じように、いろいろな物に触ってもらい、それと同じものを選んでもらったり、物を視覚的に確認してそれを実際に触ってもらいながら、感覚の再学習を行ったりします。

 

最後に

感覚障害は、確実にこれだという方法は確立されていませんが、物に触れて感じること、自身の手足の位置関係を把握することなどを繰り返し行うことが一つの治療に繋がるかもしれません。リハビリで実際に感覚訓練をする場合、いろいろなボールを使い触れた感じや、形状、材質などを確認してもらいます。それらの一部を紹介しますので、よかったら試してみてください。