前頭葉障害の原因と症状とは?
こんにちは、ラミマルです。
今日は高次脳機能障害シリーズの、(いつシリーズかしたかは謎ですが)前頭葉障害についてです。
事故を起こしてから、夫の性格が変わってしまったなんてお話を聞いたことはないでしょうか?
それはおそらく前頭葉障害の一部ではないかと予測されます。
今日はそんな前頭葉障害についてお話していきます。
もくじ
前頭葉とは
前頭葉は人間が生活を営む上で、様々な機能を担っています。
例えばラミマルたちが、朝起きて仕事に行くまでの過程で考えてみます。
起床してから朝ご飯を作り食べる。身支度をして時間になれば電車なり車に乗って職場に行く。
この過程の中でも、前頭葉はフル回転しています。
臥床から起きるまでの、体をどう動かすかを脳の中で運動の企画をたて、準備や順序立てをしながら運動の実行を行います。また冷蔵庫に何があったか思い出し、自分の食べたいものを作り食べる。そして出社時間までに、自分のしないといけないことを計画立てて実行していきます。
これらの物事の整理や処理、実行は前頭葉が関わっています。
前頭葉障害とは
そんな大事な前頭葉がダメージを受けると、運動が上手にできなくなったり、同じことを何度も続けてしまう(保続)、抑制が効かなくなる、注意障害、記憶障害、遂行機能障害、社会行動障害などさまざまな問題が起こります。これらが起こるのは前頭葉が脳の機能として、さまざまな働きを担っているためです。
前頭葉障害の原因
主には脳卒中、交通事故などの損傷によって前頭葉障害が起こるケースがあります。
前頭葉障害の症状と検査
遂行機能障害
遂行機能とは、一連の動作を成し遂げるためには必要な能力と言えます。遂行機能障害になると目標を定めて、それに向かうための計画を立てること、また実行することが行えなくなります。そうなるとすべての動作の中で段取りや実行が出来なくなったりします。買い物や旅行の計画や実行でもエラーが起きますし、日常生活で様々な問題が起こることは言うまでもありません。
遂行機能の検査には、日本版BADS遂行機能障害症候群の行動評価というものを実施します。この検査は行うと水浸しになります(笑)ラミマルも行うことはありますが、ロールプレイングゲームみたいで個人的には好きです。
内容は平面の中からカギを探したり、動物園の周り方を考察したり、水を足したりしながら物を取ったり、いかに計画し実行していくかが求められる検査になっています。
社会行動障害
社会の中で人と人が関わっていくうえで、他社の意図をくみ取ったり、協調しながら生活することが必須となってきますが、社会行動障害では、他者の意図や思いを理解して感じることが困難になります。また手順通りに進めることはできるが、状況に合わせた柔軟な対応は難しかったり、感情のコントロールが困難で、自己中心的な行動が目立ち、他者に対して暴言や攻撃的な抑制が効いていない行動がみられたりします。
社会行動障害にはNeuropsychiatric Inventory(NPI)という評価を使うことが多いです。これは、妄想、幻覚、興奮、不安、うつ、多幸、無為、脱抑制、易刺激性、異常行動の10項目について評価し、それぞれ得点化します。
また前頭葉機能検査(FAB)も前頭葉症状のスクリーニングとして利用したりします。
これは言語の類似性を探ったり、語の流暢性や運動プログラム企画実行や、抑制コントロールなどを評価します。
まとめ
・前頭葉は人間が生活する上で、大切な役割を担っている
・前頭葉がダメージを受けると様々な症状が出現する
・遂行機能障害では目標設定、企画、実行が障害される
・社会適応障害では他者の意図や感情をくみ取って、柔軟に動くことや感情をコントロールすることが困難になる
最後に
前頭葉が障害されると、人が変わってしまうという症状もあるでしょう。そこで家族の理解が得られなければ患者さんは孤立してしまいます。そうならないためには、それは病気がそうさせていると、周りが本人の症状を理解することが大事だと思います。