脳卒中後の運転再開への流れや仕組み②
こんにちは、ラミマルです。
昨日から脳卒中後の運転再開への流れや仕組みを書いています。
昨日は、道路交通法や高齢者の自動車運転について書きました。
今日は、脳卒中後の運転再開について触れていこうと思います。
でははじまり~。
もくじ
脳卒中後の運転再開について
まず脳卒中では、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血などがあります。脳卒中後としていますが、事故などで脳挫傷なども含まれるかと思います。
このように脳に損傷を受けた方は、運転を再開するにあたって、運転免許の更新日に限らず、主治医が書いた診断書をもとに運転免許センターで運転適性検査を受ける必要があります。
脳卒中や脳挫傷後など症状はさまざまですが、人によれば後遺症が残る方もいらっしゃいます。そしてその治療期間中(入院中)に免許の更新日を迎えることもあります。病院でも入院中に更新日を迎えてしまったという患者さんはよくお見掛けします。
そのような方たちは、以前は更新期限から6か月以上運転を控えなければならない場合、いったん免許取り消し、再度学科試験や筆記試験を受けることが必要でした。しかし2015年の道路交通法の改正により、脳卒中などで病気にかかっていることを理由に免許が取り消され、その後に運転再開が可能になった場合は、取り消しから3年以内であれば学科試験や技能試験が免除になっています。
医療者にかかる責任
車を運転するので、事故を起こすこともあります。それは傷病後、運転再開をした後に起こることも0ではないでしょう。極力そのようなことが少なくなるように、医療者も安全な運転が行える能力があるか、安全に支障のある症状が出てくる可能性がないか判断することが求められます。きちんとした判断の上で、運転再開をして、その方が事故を起こしても医師に対して刑事責任が問われることはないと考えます。
しかし事故を起こす可能性は、どの方も0%ということはないので、医者も慎重になるらざる負えません。運転再開には診察やさまざまな検査を行い慎重な判断が要求されます。
事故当事者の責任はどうなっているのか?
脳卒中後の方が疾病のコントロールが十分行えておらず、事故を起こしてしまった場合は、過失運転ではなくより重い危険運転致死傷罪が適用されることあります。
運転に必要な身体機能と自動車改造
脳卒中になると片麻痺になり、上肢が自由に使えない状況になるかもしれません。そのような場合にハンドルにステアリンググリップを装着したりすることがあります。
また右足でアクセルやブレーキが踏めないような状態にある場合、左側にペダルを増設することも可能です。
改造して、運転できるように環境を整えることも大事になりますが、ブレーキを踏みこむ反応や、ハンドルを切る操作がスムースに行えるかどうかも運転を再開するにあたり必要なことになります。また運転はスピードが出た中で、瞬時に判断し操作する必要があります。そのため脳卒中後には視野障害も気にしなければならない症状の一つです。
今回は脳卒中後の運転再開と医療者や当事者が事故を起こしたときのことを書きました。自動車を運転するということは、必要なことではありますがそれだけ責任もかかってきます。極力事故がないように運転を行っていきたいものです。