あなたの失語症は どの種類!?
こんにちは、ラミマルです。
機能は高次脳機能障害の総論についてお話ししました。
高次脳機能障害といっても、一括りにしましたが脳がダメージを受けた場所によって、様々な症状が出ます。
症状の概要は昨日の記事に書いておりますので、合わせて読んでもらえたらと思います。
今日はその中でも失語について書いていこうと思います。
もくじ
失語症とは
失語症とは、成長の過程で一度正常な言語機能を習得した後に、脳の障害によって言語の理解や声を発してしゃべるといった行為に障害をきたしものです。
人の日常生活にはコミュニケーションが欠かせないもので、意思疎通や考えを伝えることおいて言葉は大部分を占めていると言えます。
それゆえに障害され、コミュニケーションが取れない状況になってしまうと不安感やあせり、いらだちなどに繋がります。そして相手に伝わらない感情をぶつけたり、話せない「いらだち」や「みじめさ」から泣き出したりすることもあるでしょう。
言語を司る脳の部位は?
言語を司る言語野という部分は、右利きの場合95%が、左大脳にあるといわれています。上記の図にもあるように、前頭葉と側頭葉に当たる部分にブローカ野とウェルニッケ野という部分があります。
ブローカ野は、話すことに関する運動プログラムを司る部分で、この周辺がダメージを受けると図のようにリンゴと分かっていても、流ちょうに話せなかったりします。
またウェルニッケ野は、聞いた音に対し何を言っているのか理解する部分で、図のように、いい天気ですねと問われると、意味が理解できないため的外れな返答になってしまいます。
失語症のタイプはどう分けるか?
失語にも細かく分けるといろいろタイプがあります。
1、まずは簡単な質問をしてみて、発せられる言葉が滑らかに話せるかを判断します。
この時点で、ブローカー野の障害かウェルニッケ野の障害か大まかに判別します。
2、次に「右手で左ほほを触ってみてください。」や「夏は寒いですか。」など聞き取りに対しての理解度を確認し、意味がどのくらい理解しているか判断します。
3、最後に復唱(こちらの言ったことが、繰り返せるか)が可能かによって判別をします。
上の表でどこにたどり着いたかで判別します。
ブローカ失語:話すことの障害が重度、言葉を聞いての理解は比較的良好、複雑な内容は理解できない
ウェルニッケ失語:流ちょうに話すことができるが、錯誤(自分の話そうとしていないことが言葉に出ること)が多く、内容は意味不明なことが多い。言葉を聞くことの理解は単語レベルでも聞き訳にくい。ブローカ失語に対して病識が薄い。
伝導失語:自身で話す言葉は流ちょうだが、「みかん」を「みたん」、「つくえ」を「くくえ」といった音韻性錯誤が多い。聞いての理解は良好ですが、複雑な内容は困難。
超皮質感覚性失語:聞いて理解することが特に困難。発語は流ちょうに話すが、中身がともなっておらず、言いたいことが言えなかったり、存在しない言葉を話したりする。復唱は行える。
超皮質性運動性失語:発話の量は低下し、自ら話すことはほとんどみられない。話しても短文に限られる。聞いての理解は良好で、復唱も可能
健忘失語:自分で話すことは流ちょう。言葉を思い出すことが困難。物品の名前を思い出すことができない。言葉の理解は良好で復唱も良好だが、長文は障害される。
全失語:自分でしゃべることは少なく、話しても流ちょうには話せない。聞いての理解、復唱、読解、書字などすべての言語機能に重度の障害がある。
まとめ
・失語症は、大きく分け言語を理解すること、話すことに分けられる
・分類は自発後の流暢性、聴覚理解の可否、復唱可能かで分けられる
はい、ずらずらと説明を書いてきましたが、あなたの症状に当てはまるような失語はありましたでしょうか?
今日は失語のタイプについて書いてきましたが、明日ももう少し失語について書いていきたいと思います。
高次脳機能障害に悩むあなたに
この本はもやもや病にかかった女性医師が、高次脳機能障害と向き合って生きるにはどうするかという視点で書かれています。リハビリにはどう取り組むべきか、日常生活をどう捉えるかなど、参考になる部分が詰まっています。気になったら手に取ってみてください。