ポジショニングを行うには 見逃さないリハ的ポイント!?
こんにちは、ラミマルです。
梅雨に入りまして雨ばっかりですね。肌寒かったり、蒸し暑かったり外気温との調整が難しい時期ですが、風邪などを引いていないでしょうか?
ラミマルも熟睡が出来ず最近よく目が覚めます。皆さん快眠できていますか?
快眠には寝心地が重要になります。今日はそんな寝心地に繋がる「ポジショニング」について書いていきます。
今までもポジショニングについてクッション紹介やベッドのマットレスの記事で何度か触れてきました。
気になれば読んでみてください。
でははじまり~はじまり~。
もくじ
ポジショニングとは
皆さんは「ポジショニング」とは聞いたことがあるでしょうか?医療関係者や介護関係で働いている方であれば聞いたことある言葉だと思います。ポジショニングとは寝ている姿勢や座っている姿勢などをクッションなどを利用し、安楽で崩れない姿勢、活動に繋がる姿勢という意味合いで使ってることが多いです。
例えば、円背や膝に拘縮(曲がったままで膝が伸びない)ある方がいるとします。
この方にベッドに寝てもらうと膝にすき間があいたり、腰の骨が突出した部分が当たったり頭が浮き上がった状態になります。この状態で朝から夜まで寝ている状態が続くと体はどうなってしまうでしょうか?見るからに辛いし安楽ではないと思います。
さて先ほどの姿勢に膝下と頭元に枕をいれてみました。そうするとどうでしょう。支ええる面積が増えて馴染みやすくなります。このよう安楽な姿勢を提供していくことがポジショニングのスタートです。
どう寝ているかを観察しよう
では実際になにから始めるの?と声が挙がると思います。
まず初めにすることは、寝ている姿勢を観察しましょう。
頭元、足元側、体の側面から見ています。
この写真から観察のポイントを挙げていきます。
・頭はどうなっているか?(軽く曲がっていて、右側を向いている)
・胸郭はどうなっているか?(右側に捻じれて、右背面で体重を受けている、円背)
・骨盤はどうなっているか?(頭、胸郭と同様に捻じれ、右背面で体重を支える)
・両手はどうなっているか?(ピンと伸びて浮き上がっている)
・両足はどうなっているか?(膝が曲がり、右側に捻じれている)
・どこで体重を受けているか?(右背面、右のかかと部)
・どこにすき間があるか? (膝下、肩下)
少しポイントが多くなりましたが、どこに体重がかかっているかは、なんとなくわかると思います。見るだけでは分かりにくければ、背中や腰の下に手を入れてみましょう。そうするとどこで体を支えているかが確認できます。その部分が体の圧が強いところとなります。
そしてその体重がかかっている部分が変化せず、長い時間になるほど褥瘡のリスクが高まります。その予防の関わってくるのがマットレスです。マットレスが体を支える大元になりますので、褥瘡のリスクがある人はぜひ気にかけてみてください。
ベッドのマットレスに関しては前々回の記事にありますので、気になりましたら一読ください。
マットレスの選定
前回の記事でも書いてはいますが、マットレスを選定する上で「褥瘡の予防」と「動きをサポートする」この2点は外せません。
エアマットでは体圧を分散することに特化していますが、沈み込み強く体を動かすという点では、不向きになります。
静止型のマットレスでは動きやすさはありますが、体圧分散としてはエアマットには劣ります。
どこに重きを置くのがいいのかを、リハビリスタッフや看護師をと相談しながらマットレスの選定を進めてみてください。
クッションを利用しよう
さきほどのボーちゃん(棒人形君)の姿勢でも大きくすき間がありました。すき間がある状態だと不安定になりますし、その姿勢を保とうと体に力が入ります。そうなると体に力が入り筋肉の緊張も高まります。筋肉が緊張した状態が続くとと拘縮(関節が固まり、伸びたり曲がったりしにくくなる)も起こりやすくなります。
それを予防するために、すき間に上手にクッションを敷き姿勢を安定させることで、筋肉の緊張を緩和したり、姿勢の安定に繋げることが出来ます。体が安定することで動きやすい状態を作ることにもなります。
クッションを利用する場合は、素材や形も様々でこれらの要素でやや用途が変わってきます。使用していれば、汗やよだれなどで汚れることもありますし、失禁等で濡れて洗濯が必要になることもあります。そのため洗えるものや乾きやすいものなどかも大事なポイントの一つになります。
仰臥位のポイント
仰臥位のポジショニングでは頭や胸郭、肩周囲が覆われていることが大事で、円背が強い場合などは枕やバスタオルなどを上手に使い支えてあげることが大事になります。体を支えるクッションにはさまざまな形のものがありますので、一部紹介させてもらいます。
肩の痛みの記事でも紹介した通称ウサ子ちゃんクッションです。単体で使うのもよし、土台となるクッションの上から使うことも可能で、頭や胸郭、肩回りをサポートしてくれます。円背が強いと頸部から胸郭、肩当たりにすき間が大きく空く場合があるので、それらを埋めるには最適なクッションと言えます。
円背の背中を広い面でサポートし、体を包み込みます。頭の角度によって枕やバスタオルを使用して調整してください。大きいので寝ている人の下に敷き込むのはやや大変です。
側臥位を支えるために利用したり、両方向から差し込み仙骨部にかかる圧の除圧に使ったりします。
どうしても介護用品のクッションは高価なものが多いので、家庭にあるものを使うこともあると思います。その際は、形や大きさ、素材などを気にしながらすき間を埋めてみてください。体にフィットすることで姿勢が安定し動き出しやすさに繋がってくると思います。
最後に
今回はポジショニングを行う上でどこに気を付けていくべきかをお伝えしてきました。
安楽で安定した姿勢を整えることができれば、動きを広げるきっかけになります。参考になることがあれば幸いです。