高次脳機能障害とは どんな症状が起こる?
こんにちは、ラミマルです。
今日の内容は高次脳機能障害についてです。
今まで書いてきた内容でも、高次脳機能障害という文字はたびたび出てきました。
でも詳しい内容については、書いていませんでしたね。
皆さんも、高次脳機能障害と聞いてもピンとこないと思います。
おそらく医療従事者や福祉関係、または当事者周辺でしか、理解や認知はされていないと思います。そのためこの障害を呈してしまったら、なかなか社会的に理解されにくい状況になり、孤立することもあるかもしれません。
それを避ける意味でも、今日の説明で少しでも理解が広がれば幸いです。
もくじ
高次脳機能障害とは
高次脳機能障害とは、脳卒中や事故などで脳にダメージを受けたことにより、注意力や、物事を進める力や記憶力など様々な問題が起こり、日常生活や社会生活に支障を起こすことを言います。
脳の損傷される部分によって出てくる症状は様々で、いろいろ混在した症状が起きて日常生活の妨げになる。またこの障害は目に見えないものなので、周りに理解されにくい特性があります。
高次脳機能障害の症状
脳の機能の研究は日々進歩しており、昔に比べて高次脳機能障害の捉え方は変わってきている印象です。ラミマルが学生の頃に学んだ内容では、それぞれ脳の部分が各機能の中枢として働いており、その部位がダメージを受けるとそこに限局した障害が起こってくると学びました。
現在では、脳の神経線維のネットワーク(連絡を相互に取り合う神経線維)の通り道に各々の領域がかかっているという捉え方になってきています。
その中でも大まかに、脳の部位がダメージを受けると出現する症状を挙げていきます。
・前頭葉(上の図で黄色の部分)
運動の準備や実行:運動を企画し、実行することが困難になる
協調運動障害:自身の意図せず動き、物を把持すると離せなくなったりする
運動性言語中枢:スムースに話せなくなったり、複雑な文の理解が難しくなる
意思決定、情動:感情のコントールや意思決定が出来なくなったりする
ワーキングメモリー:数秒から数分の記憶にかかわる直後の記憶の再生が困難になる
※前頭葉は社会的な機能を支える働きをしていますが、明確な部位に役割が割り振られているかは、はっきり判明していません。
・頭頂葉(上の図で青の部分)
感覚の中枢:体の感覚情報を処理する部分
物の位置や動きの知覚:奥行き、位置、大きさ、傾き、動きなどの空間知覚にエラー
半側空間無視:空間の半分の刺激を見落とす
ゲルストマン症候群:計算が出来ない、文字が書けない、左右が分からない、手の指が分からない
・側頭葉(上の図で黄緑の部分)
記憶:記憶障害、新しいことを覚えることが難しい
聴覚:聴覚を司る部分
・後頭葉(上の図で緑の部分)
視覚情報:色や形状の識別
視覚と意味記憶の照合:文字を見ても意味が理解できない
ざっと挙げさせてもらいましたが、改めてみると脳の機能はすごいなって思います。それぞれの部分での働きが阻害されると、上記に挙げたようなエラーが日常生活で起こってきます。
どこが大事ということはなく、生活する上ではどこも大事となります。
まとめ
・高次脳機能障害は、脳にダメージを受けることでさまざまな症状が起きる
・症状が見えづらく、理解されにくい
最後に
脳卒中になったら片麻痺に苦しむ人はたくさんいます。しかし麻痺に負けずに厄介になってくるのは高次脳機能障害です。出てくる問題もさまざまで、複数の症状が合わせってでてくることもザラにあります。高次脳機能障害の内容を書くことで、改めてどう関わっていくべきか、お互いに勉強できればと思っています。
今日は総論ということで、高次脳機能障害がなにかということと、どんな症状が出るかを書かせてもらいました。明日以降は、それぞれを少しずつピックアップしていきたいと思います。