脳卒中の後遺症 感覚編
感覚ってなんでしょう?
すごくざっくりとした質問です。
触れた感じ、痛い、熱い、冷たい、動いたなど・・・
全て感覚です。脳卒中になるとこれらが分からなくなります。
それっていいことなんでしょうか?
もしかしたらとてつもなく大事なことなのでは!?
今日は感覚について話していきますね。
もくじ
感覚とは?
感覚とはいくつかあり、味覚や視覚なども感覚に含まれますが、今日は体が感じる感覚をピックアップしていきます。では体が感じる感覚とはどういうものがあるでしょうか?
まず一つが痛みの感覚と、温度の感覚です。これは針がささって痛いという感覚や、お湯や氷に触って、熱いとか冷たいと感じる感覚です。それぞれ痛覚、温冷覚といわれます。
次に自分の体がどこの位置にあるかという感覚と、どのように動いたか感じる感覚です。聞くだけでは理解できないでしょうが、目を閉じてみてください。閉眼でもあなたの手足がどこにあるか分かると思います。そして腕を曲げてみてください。腕がどのくらい動いたか分かると思います。これらの働きが位置覚と運動覚です。これがすごく大切な役割を果たしています。
感覚はどうなったら感じなくなるの?
一つは頚髄損傷です。これは感覚の情報を伝える神経路が途中で損傷を受けて起こるものです。つまり携帯電話の充電器のケーブルをはさみで切ると、充電されるでしょうか?簡単に想像がつきますよね。首や腰など、強い衝撃が加わり神経路が分断されると、四肢麻痺や下半身不随などの状態になります。そうなると感覚だけでなく、運動も出来なくなってしましますが、詳しくはまたの機会にお話しします。
もう一つは脳卒中です。これは脳の中の感覚を認識する中枢部分と、感覚情報を受け取る伝導路の部分が損傷することで起こります。それにより、右の脳がやられると左半身(体を縦に割った半分)の感覚が失われる状態になります。これは神経路が交差しているために起こります。
感覚障害の症状は?
これらは不都合なことがたくさん起こります。感覚麻痺と運動麻痺は同じ部位に起こることが多く、運動と感覚麻痺によってだらんと垂れた手をぶつけることで、傷を作ることはよく見られます。またお風呂の際にお湯の温度が分からないため、火傷なども気を付けないといけません。運動覚と位置覚を障害されると、今まで歩くときに無意識に出していた足も、どこに踏み出していいか分からず、立っていることすらもままならない状態となってしまいます。
次回はもう少し踏みこんでいこうと思います。
最後に
感覚は、人間が生活するうえで非常に重要な要素となります。手の平から何も感じなければ、我が子を抱いてもそのぬくもりも重さも分かりません。それはとても悲しいことと同時に、生きていくうえで危険性も伴います。完全に治すことは不可能です。しかし、その状態を自分が気づくことが第一歩となるでしょう。
運動麻痺や感覚麻痺など全体を網羅できる内容となっていますので、興味がありましたら手に取ってみてください。