ラミマルブログ

リハビリの仕事を通して学んできた経験をもとに、病気やリハビリ、健康や日々のことなどを発信中

手足が動かない!?片麻痺の知っておきたいこと5つのこと②

こんにちは、ラミマルです。

さて片麻痺のことを2日間かけて説明してきました。

 

1日目は片麻痺って何だろう?分類分けについて

2日目は片麻痺の流れ、入院から退院までの流れ

 

おそらくですね、順を追ってきて頂くと分かりやすいと思うので、お時間がありましたら是非読んでみてください。

 

silhouette of man standing on rock

 

では今日も進めていきます。

 

もくじ

 

 

病院の選択はどうすればいいの?

急性期病院から回復期病院に転院する時期がくると、そのとき相談に乗ってくれるのが、社会福祉士(医療ソーシャルワーカー)さんです。

社会福祉士さんのお仕事は、主に福祉に関する相談、助言、指導を行ってくれ、医療機関との連携や調整を行ってくれるのが主な役目です。つまり、病院と病院の橋渡し役で、こちらの意図に沿って、どこに転院したいか、どんな要望があるかなどを熱心に聞いてくれます。特に指定もなければ、いくつか候補を挙げてくれ、その中から自分が選んだ病院に転院することになるでしょう。

そのときに、ポイントとして押さえておきたいのが、次の転院先の病院はどのくらいのリハビリを受けられるかということです。現在、回復期病院で受けられるリハビリの時間は1日最長3時間と厚生労働省が認めています。また365日リハビリを提供する病院もあり、力の入れ具合は様々だと思います。細かいことを言えば、回復期病院でも入院料が1~6まであり、6段階の病院基準に分けられます。最も高い病棟基準となる「回復期リハビリテーション病棟入院料1」では、言語聴覚士(ST)と社会福祉士の配置が義務付けられており、看護師の人員も、入院料3~6と比べると充実しています。簡単に言えば、施設基準が高い分、質のいいものが受けられる可能性があるということです。

家から近い病院、交通の便がいい病院、リハビリが充実して受けられる病院、雰囲気が素敵な病院etc…選択肢は様々だと思います。

私はリハビリの人間ですが、家族がそのような状態にあり、回復の望みがあるのであれば、やはりリハビリの充実した病院に入院させたいと思うかもしれません。

さて、みなさんはどうでしょう?

 

なので、何を優先するかはそれぞれですが、1日最大3時間受けられるということや、病院基準があることを知っておき、社会福祉士さんに転院先の病院ではどのくらい充実したリハビリを受けられるのかも聞いてもらい、一つの指標にしてもらえたらいいかと思います。

 

片麻痺のステージによって気を付けること

1日目の内容で各ステージの状態を書きましたが、覚えていますか?

はい、こちらに持ってきました。

Ⅰ、意識して動かそうとしても動かない(弛緩状態、だらっと垂れている)Ⅱ、意識すると少し動く

Ⅲ、力が入りすぎる (歩くのに対し、手が上がったり、指がグーになったりする)

Ⅳ、力が入りすぎることが減り、少し自由に動かせる

Ⅴ、自由に動かせるが、麻痺をしていない手足の動きには劣る

Ⅵ、麻痺のしていない手足と、さほど変わらないほど動く

順調に回復していけば、ⅠからⅥに向かって改善していきます。

脳卒中になった時のガイドラインとして脳卒中ガイドラインという本が存在します。

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

脳卒中治療ガイドライン2015〔追補2019対応〕

 

 この本でのグレードの高いもの、つまりその治療を強く推奨している方法を簡単に抜粋してお伝えします。

機能障害および能力低下の回復を促進するために早期から、積極的にリハビリを行うことが強く勧められる(グレードA)

 つまり早い時期から、積極的にリハビリをしなさいということですね。

 

歩行や歩行に関連する下肢訓練量を多くすることは、歩行能力の改善のために強く勧められる(グレードA)

 歩くためには、どんどん下肢の訓練を多くとりいれなさいとのことです。

麻痺が軽度の患者に対して適応を選べば、非麻痺側上肢を抑制し、生活の中で麻痺側上肢を強制使用させる治療法が強く勧められる(グレードA)

 軽い麻痺、つまりステージⅣ~Ⅵの方には、健側の手を使わず、麻痺している手をどんどん使っていこうとのことです。

肩関節亜脱臼に伴う肩痛や肩手症候群の予防として三角巾や肩関節装具の使用が勧められる(グレードB)

 ステージがⅠやⅡの時期には、肩の筋肉が弛緩し亜脱臼といって、肩が半分抜けたような状態になります。そのようなときに、三角巾や肩サポーターで保護しましょうと書いています。

 

 このようなものですね。

 

上記に書いたものは、あくまでガイドラインで、担当になったリハビリのスタッフが考えたリハビリを実施してくれると思うので、一つの知識として参考にしてもらえたらと思います。

 

では、今日はこの辺りで一区切りつけたいと思います。