ラミマルブログ

リハビリの仕事を通して学んできた経験をもとに、病気やリハビリ、健康や日々のことなどを発信中

片麻痺後のリハビリまでの流れ 予後を知ろう!!

昨日は片麻痺とはなにか?ということで話をしてきました。

 

続きで読むほうが、理解しやすいと思うので、リンクを張っておきます。

時間がありましたら、下の記事から読んでみてください。

ramisuke.hatenablog.com


では、進めていきます。

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もしなってしまったら、この病気は治るのかなと知りたいですよね。

では片麻痺の経過について話していこうと思います。

 

もくじ

 

・病院の経過の流れ

さて片麻痺の予後の前に、脳卒中になると入院生活がどう流れていくかを説明させてください。これは片麻痺に経過にはついて回る話なので、知っておくと話がスムースです。では仮の話で進めていきますね。(今回は脳出血の設定です)

 

  発症(病気になった直前)

今、あなたが脳出血を発症したとします。頭痛や吐き気がひどく、右手足が動かなくなります。感覚が感じられないかもしれません。おそらく、誰かにお願いをして救急車を呼ぶでしょう。そして、病院に運ばれ出血の治療が始まります。

 

  急性期病院(発症から約1か月半)

ここからが入院となり、治療を受けますね。これが急性期病院です。急性期では主に命を救うことが目的となります。治療も一段落し命の危険を脱し、あなたのご家族もほっとしているでしょう。症状の状態にもよりますが、約3週間~1か月半程度、急性期病院で過ごします。

 

状態は安定してきましたが、あなたの体は右半身が動きません。これでは帰っても生活できませんよね。このときの転院先が、あなたが回復を望むのであれば、回復期病院となります。流石に手足が動かなければ、家に帰る人はいないと思いますが・・・

同じ病院で治療を続ければいいのでは?と疑問が持つ人もいますよね。しかし、病院ごとに役割があり、命を救う病院、障害を重点的に治療する病院と分かれてきます。

 

  回復期病院(1か月半~半年)

回復期病院では、重篤な状況は脱しているので、リハビリが中心に始まります。初めは車いす生活で過ごしていましたが、少しずつ回復し、歩いたり、手で物が使えるようになってきました。回復期病院でも、障害の状態にもよりますが、回復期に入院してから、1か月~5か月間程度過ごします。

障害の状態や在宅の受け入れ態勢が整えば、早く退院できますし、障害が重度で、在宅の状況が整っていなければ、入院は長引きます。さてリハビリも順調に進み、退院の日がきました。久々の家は、嬉しいものです。

 

  自宅、施設(半年~ずっと)

さて、家に帰ってきました。退院後は自宅での生活がずっと続いていきます。麻痺の状態や年齢によってはデイサービス、訪問看護や訪問リハビリ(家に来てくれる介護保険のサービス)を利用するでしょう。

障害が重度で家族や在宅の支援が十分受けられないという場合は、施設に入所という選択肢も出てくるでしょう。みなさん、自宅に帰りたい気持ちは一緒ですね。でも現実問題、難しい場面も多く見てきました。

 

まとめ

 ・急性期病院:命を救う病院 入院期間:発症から約1か月半

 ・回復期病院:障害の治療をする病院 入院期間:回復期入院から1か月~半年

 ・在宅、施設:今後の住まい 期間:ずっと

 

もう少し補足して説明したい部分もありますが、それはまたの機会として。ざっと脳出血になった際の流れを話しました。

 

 では片麻痺の話に戻ります。

ここまでで、お腹いっぱいになってきた声が聞こえますが、進めていきます。

 

 

 

片麻痺の経過

上記の流れを思い出してもらいながら、見ていただけると、整理はつきやすいと思います。前回のブログ内容でブルンストロームステージを説明したと思いますが、覚えていますか?え、覚えていないって(笑)はい、復習しますね。

簡単に言うと、Ⅰ~Ⅵステージまであり、回復の段階を指すものです。各ステージのレベルは以前のブログをご参照ください。

 

症状が皆当てはまるか?と聞かれると、そうではないですが、おおよそ同じような経過を辿りますので、麻痺の経過を話していきますね。

 

発症、つまり脳出血になってすぐの時期は、ステージⅠ~Ⅱでだらんと垂れて、力が入りにくい手足となります。

急性期病院では、一概には言えません。ステージⅠ~ⅡからⅢ~Ⅴのレベルの人もいるでしょう。なぜ同じように言えないのかというと、これが麻痺の重症度になってきます。(急性期の時点では今後の伸びも考えば、断定はできませんが・・・)

しかし急性期の段階で比較的「動くぞっ」て方は、今後の片麻痺の予後もよいかもしれません(あくまで片麻痺に限って)

 

この分類には上肢(肩から前腕部)、手(手首から指先)、下肢の3つに分けられています。足は動くけど、上肢が動かないという人もいますので、注意してください。

 

回復期でもステージは様々で入院されますので、前述したように早い時期に、ステージがⅣ~Ⅴになっていると、予後は良いと思います。(あくまで片麻痺に限って)

さっきから(あくまで片麻痺に限って)ってなに?と思われるでしょう。

それは脳卒中には、感覚障害(感覚が分からなくなる、鈍くなる)や高次脳機能障害(言葉が話せなくなる、注意力全般が落ちる、記憶しにくくなる)など違う障害も伴ってくるからです。細かい説明は、ここでは省かせてもらいますが。

 

回復期では一番リハビリを手厚く受けられる時期です。そこから在宅、施設となると、リハビリの量は少なくなってくるので、回復期でいかに過ごすかが勝負となるといっても過言ではないと思います。そのため在宅や施設では、現状維持や機能低下をきたすこともあるかもしれません。そうならないように、在宅での支援が必要となってきます。

 

片麻痺は良くなるのか

脳卒中後、約半年をめどにプラトー(停滞期)といって回復が見込みにくいという時期が来ます。前にも書きましたがに、発症から早い時期に、ステージⅣ~Ⅵになれば、比較的予後は良いと思います。逆に、発症から4、5か月たってステージⅠ~Ⅱの状況では、治りにくいと考えてもいいと思います。

 

 

さて今日は、この辺りで一区切りとしたいと思います。

 

 

最後に

経過を知り、一喜一憂するかもしれまん。しかしあくまで、指標です。昔、受け持った患者さんに「俺をそんな枠に当てはめるな。」と言われたことがあります。まったくです。私たちセラピストはつい患者さんを枠にはめようとしてしまいます。反省しないといけませんね。

大事なのは心の持ち様で、障害を自分の一部と認め、前を向いて進むことだと思います。なってない人間がと言われるかもしれませんが、患者さんとともに壁を乗り越えていく気持ちは変えずに持ち続けたいと思います。

 

もし必要であれば手に取ってみてください。