生活を助ける自助具シリーズ 第3弾「靴」
こんにちは、ラミマルです。
今日は、生活を助ける自助具シリーズ第3弾をお送りします。
自助具に当てはまるかは謎ですが、介護用品の紹介の場として、シリーズ第3弾で登場するのは「靴」です。
靴は歩くときに必要になってきますが、装具を利用するときには普通の靴ではなかなか対応するものがありません。
今日はそんな困ったときに必要になってくる靴について書いていこうと思います。
もくじ
くつの種類について
急性期から回復期に転院してきて、時々見られるのがこのような靴です。急性期で勧められて購入されるようです。
もちろん急性期では歩行訓練もそこまでないでしょうし、履きやすさや脱ぎやすさ、また簡易的に履くのであれば、申し分ないと思います。しかし回復期病院で歩行訓練をメインで行うには、靴自体がペラペラし、安定していないため歩行練習にはお勧めできません。
入院初期の段階で、家族に持ってきてもらう靴としては、病気の前に履いていた運動靴などを持ってきてもらいます。もちろんその靴で歩ける方は、新しい靴を購入しなくても構いません。しかし歩くための装具をつくるとなれば、どの靴でもいいわけではありません。やはり装具用の靴が必要になってきます。
装具用の靴とは
このVステップシリーズは、装具を利用する方がよく購入されています。いくつかのシリーズで売られているので色も何色かあり、デザインも数種類あります。ソール(中敷き)をのけることで、装具を着用しても十分収まる大きさで、足に馴染むと思います。ちなみに紹介しているのはVステップ7ですね。
・使用方法
まず装具を着用します。その後に装具側の靴の中敷きを外し、装具の上から靴を履きます。麻痺が重く、足が十分動かない人などは足を組んで靴を履いたりします。なかなか片手で装具や靴を着脱することは、難しいので回復期のリハビリの際に、ぜひ習得して帰ってもらったらと思います。あとはマジックテープのベルトを締めます。
・使用感
どっしりとした靴なので、安定感があり歩きやすいです。またマジックテープのベルトで締め上げるタイプのものなので、靴紐などがほどけてしまう心配はありません。
・使用しての効果
足元が安定してくると、下肢の支持性の向上にも繋がりますし、おのずと歩行量も増えてくると思います。
・値段
紹介しているVステップ7は12000円前後です。他の介護用品のカタログに載っているものは、5000~8000円前後なので比較的高い商品と言えます。しかし装具を着用して履けるものは、あまり種類がないのでこのVステップシリーズに落ち着くことが多いです。
また装具を着用して履くため、装具側の靴は大きめを購入します。その点このVステップシリーズは片足ずつ購入できるため、左右で大きさの違う靴を買うことができます。他の靴では左右同じサイズのものを買う必要があるため、その点は装具対応の靴としてよく考えられていると思います。
・お勧めしたい人
・装具を着用しての歩行を検討している方
・足の幅や甲が高く、ゆったりとした靴を履きたい方
・注意点
やはりリハビリを目的とした靴なので、デザインという点で言えばお洒落ではありません。女性であったり、若い人、お洒落を楽しみたい人にはやや不向きと言えるかもしれません。またサイズは装具を利用した大きさにもなるので、お試しのものがあれば、サイズを合わせてから購入を検討してみてください。分からなければ、担当のリハビリスタッフに聞いてみれば間違いないと思います。
最後に
装具にあった靴を着用することで、歩行量は増えるでしょう。歩行量が増えれば、歩いた分だけ筋力や体力向上にも繋がっていくと思います。装具をつけて履ける靴を探している方は、ぜひ購入を検討してみてください。
コロナワクチンを接種してきました 副反応の症状は!?
こんにちは、ラミマルです。
2月から医療従事者の新型コロナワクチンの接種が始まりました。
そしてラミマルも以前に接種していました。
いろいろな情報は出回ってますが、皆さんワクチンに対して不安なこともあると思います。今日は少しでも不安が解消できるように、コロナワクチンを接種しどうだったかをお伝えしていきます。
以前にもコロナ関連の記事も書いていますので、合わせて読むとより分かりやすいかと思います。
新型コロナウイルスの知っておきたい感染経路 - ラミマルブログ
あなたは打つの?打たないの?コロナワクチンを知りたい人必見!! - ラミマルブログ
では始まりです。
もくじ
ワクチンの接種状況
現在高齢者の接種が始まっていますね。4月の初旬ごろから開始しており、各自治体でコールセンターやインターネットで予約を受け付けている状況です。各自治体の状況をテレビなどで報道していますが、接種可能人数に対しかなりの数の応募があるようで、それだけ関心の高さが伺えます。
各自治体によって、スピードが違うので一般の方に回ってくるのはもう少し先になりそうですね。
医療従事者へのワクチン接種
2月ごろから先行して医療従事者に予防接種が行われています。これは新型コロナウイルス感染症患者に直接医療を提供する施設の医療従事者、感染患者の搬送に携わる救急隊等及び、患者と接する業務を行う保健所職員等を対象にしています。
職場によって差はあるかもしれませんが、ワクチンを受けるにあたって、本人の同意が必要とされていて強制的に受けることを強要されるものではありません。職場や周囲の方などに接種を強制したり、強引に勧めたりすることがないようにしなければなりません。
うちの病院でも強制される形ではなく、誰がうつ、うたないは個人情報の管理下におかれ、誰が接種しているか分からない状況になっていました。このような職場ですと、ワクチンを接種することが怖く、接種するのに前向きになれない人でも安心ですね。
接種にあたっての注意事項
現在何かの病気で治療中の方や授乳中の方、新型コロナウイルスに感染したことがある方でも、基本的にはワクチン接種は可能とされていますが、かかりつけ医と相談の上でお考え下さい。また妊娠中の方は十分な臨床試験データがないため、主治医と相談してから接種するかを検討してください。
接種当日の注意事項としては
自宅で体温を測定し、明らかに発熱があったり体調が悪い場合は、接種を控えたほうがいいでしょう。また肩の付け根のほうに打ちますので、肩を出しやすい服装が推奨されています。打つ直前で肩が出せずバタバタすることがないように、事前に準備をしていきましょう。
ワクチンは2回接種する
ワクチンの効果を十分得るために、同じワクチンを通常3週間開けて、2回受ける必要があるとされています。接種後に気になる症状が現れた方は、2回目を受けるかどうかも含めてワクチンを受けた医療機関やかかりつけ医に相談してください。
実際に接種しての副反応
やはり接種するとなると緊張しましたね。手際よく看護師さんが注射をしてくれましたので、注射自体には痛みはそれほど感じませんでした。その後アナフィラキシーショックが起こらないか15分から~30分程度待機していましたが、大きな変化はありませんでした。しかし、接種した後はぼぉーっとする感じがあり、倦怠感がその日はありました。特に一日目はその程度でした。
2日、3日目は気だるい感じはありませんでしたが、注射を打った肩がかなり痛くなりました。特に張れたり赤くなったりはなかったですが、動かすたびにズキンと痛むのは少し辛かったですね。周囲の人に聞くと個人差はあるみたいですが、そういう症状の方もちらほらおり、4日目後からは特に気にならなくなりました。
ワクチンの有効性
ワクチンを受けた人は受けてない人よりも、新型コロナウイルス感染症に発症した人が少ないと分かっており、発症予防効果は約95%とされています。
ワクチンの副反応
先ほども接種してからの状態を書きましたが、接種後には次のような症状が現れます。
50%以上の人は、接種部の痛み、疲労、頭痛
10%~50%の人は、筋肉痛、悪寒、関節痛、下痢、発熱、接種部位の張れ
1~10%の人は、吐き気、嘔吐
がみられるそうです。またインフルエンザの予防接種に比べ痛みが強いと感じる方も多く、これらの症状が数日間で回復するとされています。
また疲労や関節痛、発熱などは1回目の接種より2回目の接種のほうが、頻度や痛みが強い傾向があるとされています。
まとめ
・高齢者のワクチン接種も少しずつ進んでいる
・接種した副反応は、気だるさや腕の痛みが起こる
・何らかの副反応が起こり、人によって症状が違う。
最後に
今回は一回目の予防接種でしたので、二回目に接種したときにまたどうであったかお伝えできればと思います。はやくみなさんにワクチン接種が行き渡り、集団免疫が獲得できるといいですね。
脳卒中後の運転再開 高次脳機能と検査について
こんにちは、ラミマルです。
連日、脳卒中の方の運転再開の流れと仕組みについてお話しています。
初日は道路交通法や自動車運転について書きました。
2日目は実際に運転再開すると当事者にはどういう責任がかかってくるのか書きました。
今日は運転再開には、実際にどういう流れで進んでいくのかを書きたいと思います。
もくじ
病院での運転までの流れ
脳卒中や交通事故後の脳挫傷などで、回復期病院に入院することになりました。その後どう運転再開まで繋げていくか、実際のところを話していこうと思います。
脳卒中なり脳挫傷になってしまうと、片麻痺や高次脳機能障害などさまざまな症状がですます。
どういう症状か詳しく分からない方は、上記記事から気になる症状を検索してください。
そして片麻痺や高次脳機能障害が起こると、生活のほとんどに介助を要します。入院の経過の中で、改善が見られ自身で出来ることも増えてくるでしょう。
ではどのような状況になれば、運転再開を検討していくのでしょうか?
これに関してはそれぞれの病院の考え方もありますし、絶対これが出来ないと運転が行えないとは言い切れません。しかし一つの基準となるのが、移動様式が自立している、日常の生活動作が自立しているということは大事なことになります。
まず移動様式が自立しているかとは、どういうことでしょう。移動自立とは歩いたり車いすにて動くことが自分で出来るということです。移動が自立して行えなければ、運転して目的地に着いた後も一人で動き回ることが難しいですし、行動範囲も限られるのではないでしょうか。
また日常生活が自立しているとは、どういうことでしょう。これは身の回りのトイレや更衣、移乗が自分で出来るということです。移乗が自立していなければ、車の乗り降りなどに介助が必要になります。また車の移動より、日常生活を自立させることのほうが優先順位は先であるのは一般的だと言えます。
なのでうちの病院では一通りの動作が自立して行えることが、車の運転再開の一つの基準となっています。一通りの動作が自立して生活できるということは、高次脳機能障害を含めて、病気の症状を管理できているといえます。
手足が十分動かない身体機能面も障害も運転には厄介になりますが、運転での一番の問題点は高次脳機能障害といえます。
運転再開への高次脳機能障害
運転を行うということはスピードを出して動いている中で、瞬時に周りの状況を把握し判断と共に実行をしていく、かなり高度な技術を求められます。その根幹を担うのが高次脳機能です。
運転には初日に書いたように、認知機能や知的機能が保たれていることが前提条件になります。その上で、注意機能や遂行機能、記憶面、空間認知の機能などが求められます。
その中でも注意機能は特に重要な機能で、注意は持続性、配分性、選択制、転換性に分類され、集中して長時間運転したり、人込みの多い通りでは他方に注意を向け、その注意を他方に切り替えたり、特に気を付けないといけない道では選択的に注意を向けるなど、私たちは当たり前のように行っていますが、注意機能を障害されるとそれらがスムースに行えなくなってしまいます。
それらが欠落して車の運転を行うことを想像してみてください。助手席に乗ることにためらいはないですか?また空間認知の機能が障害していれば、走行位置や車間距離、速度や奥行などにエラーが起こることもあります。遂行機能障害では、ハンドルやアクセル、ブレーキ操作にも関係してきますし、感情面にムラがあれば無謀な運転に繋がってしまうかもしれません。
運転再開の高次脳検査
上記の項目を検査するには、病院ではいくつかの検査を実施することがよくみられます。知能や記憶を検査する項目としてMMSEという認知機能や知能面を図る検査を行います。またコース立方体テストなどでIQを図るものや、記憶の簡易検査ではReyの複雑図形検査行ったりします。
注意機能面では、CATやTMTという検査を実施します。
ドライビングシュミレーター
机上検査だけで、車の運転の判断を行うことは難しいためドライビングシュミレーターなども実施したりします。しかしどの病院にも準備できるものではないため、実施できるところは限られるかもしれません。ゲームみたいな感覚になりますが、ハンドル操作やアクセル、ブレーキ操作など一通りの車の運転は体験できます。
このシュミレーターでは、ブレーキの反応速度や注意の転換、ハンドル操作や実際の路上に出ての走行などが行えます。そのなかで安全に運転できるか、コンピューターが判断し結果を出してくれます。
これらの複合的な検査結果を医者が判断し、意見書を作成して運転免許センター(公安委員会)で運転の可否を判断してもらう流れとなります。
まとめ
・運転再開の判断基準として、生活が自立していることが一つの材料となる
・運転には高次脳機能が大きく関わり、検査にて細かく調べる必要がある
・ドライビングシュミレーターは、運転の複合的な判断が行える
最後に
3日間通して、運転再開について書いてきました。車を運転することは生活の足として、とても便利なもので車が必要な地域では欠かせないものとなります。だからといって、簡単に乗車できるものではありません。車に乗るということは、生活面や身体機能面、高次脳機能障害など複合的な判断の元、医者や公安の方などと慎重に検討し、事故のないように運転再開に繋げてもらったらと思います。
脳卒中後の運転再開への流れや仕組み②
こんにちは、ラミマルです。
昨日から脳卒中後の運転再開への流れや仕組みを書いています。
昨日は、道路交通法や高齢者の自動車運転について書きました。
今日は、脳卒中後の運転再開について触れていこうと思います。
でははじまり~。
もくじ
脳卒中後の運転再開について
まず脳卒中では、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血などがあります。脳卒中後としていますが、事故などで脳挫傷なども含まれるかと思います。
このように脳に損傷を受けた方は、運転を再開するにあたって、運転免許の更新日に限らず、主治医が書いた診断書をもとに運転免許センターで運転適性検査を受ける必要があります。
脳卒中や脳挫傷後など症状はさまざまですが、人によれば後遺症が残る方もいらっしゃいます。そしてその治療期間中(入院中)に免許の更新日を迎えることもあります。病院でも入院中に更新日を迎えてしまったという患者さんはよくお見掛けします。
そのような方たちは、以前は更新期限から6か月以上運転を控えなければならない場合、いったん免許取り消し、再度学科試験や筆記試験を受けることが必要でした。しかし2015年の道路交通法の改正により、脳卒中などで病気にかかっていることを理由に免許が取り消され、その後に運転再開が可能になった場合は、取り消しから3年以内であれば学科試験や技能試験が免除になっています。
医療者にかかる責任
車を運転するので、事故を起こすこともあります。それは傷病後、運転再開をした後に起こることも0ではないでしょう。極力そのようなことが少なくなるように、医療者も安全な運転が行える能力があるか、安全に支障のある症状が出てくる可能性がないか判断することが求められます。きちんとした判断の上で、運転再開をして、その方が事故を起こしても医師に対して刑事責任が問われることはないと考えます。
しかし事故を起こす可能性は、どの方も0%ということはないので、医者も慎重になるらざる負えません。運転再開には診察やさまざまな検査を行い慎重な判断が要求されます。
事故当事者の責任はどうなっているのか?
脳卒中後の方が疾病のコントロールが十分行えておらず、事故を起こしてしまった場合は、過失運転ではなくより重い危険運転致死傷罪が適用されることあります。
運転に必要な身体機能と自動車改造
脳卒中になると片麻痺になり、上肢が自由に使えない状況になるかもしれません。そのような場合にハンドルにステアリンググリップを装着したりすることがあります。
また右足でアクセルやブレーキが踏めないような状態にある場合、左側にペダルを増設することも可能です。
改造して、運転できるように環境を整えることも大事になりますが、ブレーキを踏みこむ反応や、ハンドルを切る操作がスムースに行えるかどうかも運転を再開するにあたり必要なことになります。また運転はスピードが出た中で、瞬時に判断し操作する必要があります。そのため脳卒中後には視野障害も気にしなければならない症状の一つです。
今回は脳卒中後の運転再開と医療者や当事者が事故を起こしたときのことを書きました。自動車を運転するということは、必要なことではありますがそれだけ責任もかかってきます。極力事故がないように運転を行っていきたいものです。
脳卒中後の運転再開への流れや仕組み①
こんにちは、ラミマルです。
今日は、車の運転についてのお話です。
僕たちは車を運転することがよくあると思います。ですが運転するということは、複雑なタスクを同時にこなしながら運転を行っています。
近年、高齢者の交通事故や認知症の方が運転する車が道路を逆走したりするニュースが後を絶ちません。
今日は現在の車の運転に関してや、認知症や脳卒中後の運転の再開などについてお話できたらと思います。
もくじ
現在の自動車運転に関して
先ほども話しましたが、現在高齢者やてんかん症状のある方の関わる交通事故や、高速道路での逆走がよく報道されます。また2020年6月よりあおり運転の罰則強化が行われ、皆ドライブレコーダーを車に取り付け、周囲の車の運転を録画しています。そのため危険な運転がネット上やテレビで報道される機会が増えてきているように感じます。そうなれば必然的に、運転に関しての社会的関心は高まっています。
道路交通法について
現在の運転免許制度は道路交通法によって定められています。教習所では睡眠不足や集中力が欠けているとき、気持ちがにムラがあるときなど、運転を特に気をつけたり、控えたりしようと学びました。また道路交通法でも「何人も、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができない恐れがる状態で車両とを運転してはならない」と定められています。
ひと昔まえの道路交通法では、精神疾患を持つ方、てんかんを持つ方、耳が聞こえない方、しゃべれない方などが運転免許を与えないとされていました。しかし現在では免許を与えない制度は廃止され、免許の取得には個別に判断されることになっています。また免許を受ける資格に欠ける病気として
1、統合失調症
2、てんかん
3、再発性の失神
4、無自覚性の低血糖
5、躁うつ病
6、柔道の眠気の症状を呈する睡眠障害
7、認知症
8、脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血、一過性脳虚血発作)
などが挙げられます。
これらの病気に診断された人の免許の可否は医者の診断をもとに「一定の病気等に係る免許の可否等の運用基準」に従って、各都道府県の公安委員会が判断します。免許取得や更新時には必要事項を記入して質問票を提出しなければなりません。
また医者の立場からすれば、病気にかかった患者さんが安全な運転を行うために認知機能、予測、判断などの能力があるかを判断しなければなりません。また運転をしている状況を確認する必要があるともされています。
この辺りはまた後日詳しく書きたいと思います。
高齢者の自動車運転
2019年の高齢者の交通事故死亡者数は、全年齢での人数の割合に対して、65歳以上は約2倍となっています。また75歳以上の運転免許保有者は増加傾向にあり、今後高齢化社会が進むにつれ、その割合はさらに増えるとされています。
この高齢者の死亡事故を抑止する意味合いで、2009年に75歳以上の高齢者の免許更新時には認知機能検査が導入されました。また2017年からは違反時の臨時認知機能検査が追加されました。
その内容としては「時間の見当識」「手がかり再生」「時計描写」の3項目で検査され、総合点が100点になるように設定されています。
この点数によって3つに分けられており、
49点未満は「記憶力・判断力が低下している」
49点以上76点未満は「記憶力・判断力が少し低下している」
76点以上は「記憶力・判断力に心配がない」
に分けられます。
認知機能の低下が大きくなると、死亡事故に関わる割合が大きくなってくるともされており、事故を未然に防ぐにはこれらの検査も必要となってくるのも納得できます。
まとめ
・現在、運転に対して社会的関心は高まっている
・特定の疾患での免許の可否の運用基準は、各都道府県の公安委員会が判断する
・高齢者の運転には認知機能検査が必要となってくる。
最後に
今日は自動車運転と高齢者の運転について書きました。明日は脳卒中後の自動車運転の再開について触れていこうと思います。都市部以外では、車での移動手段は必須となってきます。運転再開について知識を持っておけば、その可能性は広がっていきます。
新型コロナウイルスの知っておきたい感染経路
こんにちは、ラミマルです。
今日は、新型コロナウイルスの感染経路についてお話していきたいと思います。
以前もコロナウイルスの記事は一度書きましたが、今更かと思われるかもしれませんが、感染経路も含めて改めて説明させてください。
現在コロナウイルスのワクチン接種も少しずつ開始されています。
早くみなさんにワクチンが行き渡り、マスクなしの生活や、飲食が自由に出来る生活を取り戻したいですね。
では、はじまりでーす。
もくじ
感染予防とは
人はどの人もうつる可能性のある病原体を持っており、血液や体液、排せつ物など感染の可能性のあるものとして扱う対策を標準予防策といいます。病院では患者さんやその周囲の物品などに触れる前、触れた後などは手指消毒を行います。また血液や体液、排せつ物などにさらされる場面では、エプロンや手袋など防護具を利用したりします。
しかしこの標準予防策だけでは、防げない病原体も存在します。そのような感染症に対して、どう予防策を取っていくかが大事となってきます。
では標準予防策で対応できないものは、どのような対策が必要になってくるのでしょうか?まずはその感染経路から説明します。
感染経路
1、空気感染(結核など)
これは空気中で飛沫した水分が蒸発して病原体を含んだ飛沫が空気中を浮遊し、それが気道や気管に入ることで発症します。つまり空気中を漂って吸い込むことで感染します。これらは結核などの病気が当てはまります。
2、飛沫感染
飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみ、話をすることで飛沫が拡散し鼻や口から吸いこむことで感染します。これは新型コロナウイルスや、マイコプラズマ肺炎、インフルエンザウイルスなどもこれらに当てはまります。
3、接触感染
これは病院などでは一番多い感染とされています。これは直接接触や間接接触という2種類に分けられます。直接接触というのは患者さんなどに直接触れ、その部分が鼻や口を介して感染する場合をいいます。また患者さんの周囲の物品に触れ、そこから鼻や口を介して感染する間接接触があります。MRSAや新型コロナウイルス、ノロウイルスなどもこれに当てはまります。また少量で感染し、環境に長時間生存することも感染が広がる原因となります。
感染予防策
空気感染に対する予防策
空気感染は空気を遮断することで人から人への感染を遮断します。そのため必要になってくるのは、患者さんを個室へ隔離することです。そして医療従事者などはN95マスクなどを使用します。
これは空気中の微粒子をカットできる高性能マスクです。高性能ですが、つけるとかなり息苦しいものになります。
新型コロナウイルスとは
今ちまたで流行っている新型コロナウイルスです。長いので以下は「コロナ」でいかせてもらいます。コロナは石鹸での手洗いや、消毒用のアルコールで感染力を低下させることができます。しかし体の中に入ってしまうと重篤化してしまうので怖さはあります。
症状として、発熱や咳、だるさや嗅覚障害、また無症状の場合もあります。若い世代は軽症ですが、基礎疾患のある方や高齢者の方は重篤化しやすい傾向にあります。また今流行している変異株は若い世代にも重症化しやすい傾向があるともされています。
対策としては、飛沫感染予防と接触感染予防が必要になってきます。まず個人で出来ることは、マスクを着用し携帯用のアルコールなどでこまめに手指消毒を行うことです。買い物などで人が触れたものに触るときは(買い物かごやカートなど)、そのものを消毒できると安心です(環境の消毒)。ちなみにコロナは紙などには3時間、布地には2日間、マスクの表面には7日間生存していことがあったそうです。
そしてステイホームで人込みは避けることが、何よりも感染源を断つことに繋がると思います。3密(密集、密着、密閉)の回避や、現在特に避けて欲しいのが、飲酒を伴う大人数での飲み会、マスクなしでの会話などは特に注意が必要となります。
最後に
感染のリスクは常にあります。コロナにかかってから後悔するのでは遅いです。なので極力かからないように日ごろから感染対策と予防を行っていくことが大事になります。長い間我慢しているから、ストレスが溜まりますが、皆にワクチンが行き渡れば、生活が変わってくると思うので、もうひと踏ん張り頑張りましょう。
高齢者の口腔ケア ケアの目的と手順
こんにちは、ラミマルです。
昨日までは呼吸障害について書いてきました。
今日は、呼吸器に関連した口腔ケアについて話していきたいと思います。
口の中を管理することは、楽しく食べることにも繋がりますし、誤嚥性肺炎の予防に繋がるとされています。
そのため口腔ケアは大事な項目となります。
それでは、はじまりです。
もくじ
口腔ケアとは
口腔ケアとは歯磨きや口の中の洗浄を行い、口の中だけでなく体全体を健康に保つことをさします。
この口腔ケアには主に3つの働きがあると言われています。
1つめは、口腔内を綺麗に洗浄することで歯周病や、歯垢などから起こる炎症などを防ぐ役割があります。そうすることで虫歯や歯が抜けてしまうことなどを予防することが出来ます。
2つめは、いつまでもおいしい食事が食べられることに繋がります。口腔内をケアすることで歯はもちろん舌のケアも行えます。そうすることで歯がいつまでも健康で、味覚がきちんと感じられ食事が楽しみになるはずです。食事が十分行えることは、脳の活性化にも繋がりいいこと尽くしと言えます。
3つめは誤嚥性肺炎を予防できることにあります。口の中にはたくさんの細菌が存在します。嚥下障害に陥り、気管に口の中の唾液などが入り込めば誤嚥性肺炎を起こしてしまいます。しかし口の中を清潔に保ち、細菌の数を減らした状態を保っていれば、誤嚥性肺炎へのリスクを軽減させることが出来るといえます。
口腔内の観察ポイント
口の中をケアしていく中で、観察するポイントがいくつかあります。
まず見ておきたいのが、口の中が乾燥していないかです。乾燥している口の中は、唾液があまり出ていない状況で、食事を行っていて食べ物がパサつきやすい状態となります。また痰が歯や、口腔内に張り付いている場合は自分で痰を出せない状況にあったり、匂いや菌の繁殖に繋がります。
口内炎や口の中に傷がある場合は、痛みなどから食欲不振になる恐れがあります。またぐらついている歯がないかも確認しておきましょう。歯周病などから歯がぐらつき飲み込んでしまう危険性があります。
ここで口腔ケアに使える商品
ここからは口腔ケアに使える商品について紹介します。
舌ブラシです。舌の掃除に使います。
3面ヘッドになっている歯ブラシです。
汚れを取りやすいスポンジブラシです。
口腔保湿ジェルです。口の中の感想を防ぎます。
口腔内ウェットティッシュです。口腔内全体の掃除に使います。
口腔ケアの手順
では手順の説明に入ります。まず上記に挙げた口腔保湿ジェルを唇や口腔内に塗っていきます。これは乾燥している状態でいきなり歯ブラシなどを口に入れると、口の中などを傷つける危険性があります。そのためスポンジブラシなどに口腔保湿ジェルなどを塗り、まんべんなく口の中に塗っていきましょう。
次に歯磨きを行っていきます。出血しやすい人は「やわらかめ」のはぶらしを使いましょう。また歯と歯肉の間や歯に凹凸があったり、欠損がある場合は1本ずつ丁寧に磨いていきます。歯を磨いていると自然に唾液が出てきます。
口腔ジェルと、唾液の影響で口腔の粘膜にこびりついた痰や汚れがふやけてくるため、口全体をスポンジブラシなどで拭っていきましょう。できるだけ口の奥から手前に向かって洗っていきましょう。
全体の汚れをスポンジブラシでとったら、口腔内ウェットティッシュで口腔内全体の汚れを除去していきます。指に巻き付けて、口全体を拭っていくことで綺麗に保つことが出来ます。
最後に口腔内の保湿を、再び行って終了となります。
まとめ
・口腔ケアによって、口腔内の問題や誤嚥性肺炎を予防できる
・いつまでもおいしい食事を食べることに繋がる
・口腔の手順を身につけ、口の中を清潔に保ちましょう
最後に
口の中を綺麗にすることで、口から食べることや誤嚥性肺炎予防など、いいことはたくさんあります。また口の中がカピカピで、生活することは本人や家族にとても辛いことです。そのため今から出来ることを行い、口の中を清潔に保っていきましょう。